古今東西のファンタジーブックガイドです
これらの本がきっかけで、新しいファンタジーへの道が開けるかもしれません
他にも参考になる本があれば、徐々に追加していきますね
古今東西ファンタジーブックガイド■
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ファンタジー・ブックガイド」石堂藍 国書刊行会(2004/01)
とにかく数多くの作品が紹介されており、筆者の石堂藍さんのファンタジーに対する造詣の深さが感じられる1冊。「遥かな異世界と神話的世界」「とびらの向こうは別世界」「日常の中の不思議」「幻想の博物誌・奇妙な歴史」「メルヘン集」といったジャンルに分けられてるので、好みの作品が探しやすいです。目次としては134タイトルなのですが、同じ作家で「もう1冊」、さらに様々なキーワードで書かれたコラムの中でも多数の作品が紹介されているので、全部で400タイトルにも上ります。私のバイブル的存在。ここに紹介されている作品リストは
コチラと
コチラ、そしてキーワード別に挙げられている作品は
コチラ。
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幻想文学1500ブックガイド」石堂藍・東雅夫 国書刊行会(1997/08)
イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、ロシア、東欧、ラテンアメリカ、南欧、その他と国別に作品を探すことのできるブックガイド。しかもそのそれぞれに「幽霊」「妖精」「吸血鬼&怪物」「悪魔と天使」「呪物」など、キーワード別の紹介となっています。それぞれの作品の紹介は短いものの、作品の魅力がとても伝わってくる1冊。この中で紹介されているイギリス編は
コチラと
コチラ、アメリカ編は
コチラと
コチラ、フランス編は
コチラと
コチラ、ドイツ編は
コチラ、ロシア・東欧編は
コチラ、南欧・その他編は
コチラ。
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新編別世界通信」荒俣宏 イースト・プレス(2002/07)
1977年発行の妖精文庫版が絶版になった後はちくま文庫で刊行され、そのちくま文庫版も絶版となり、新しく出されたのがこの「新編別世界通信」。月世界という最も身近な別世界を失った人間にとってのファンタジー。別世界が創造されるに至った背景と、別世界の必要性を論じていきます。実は文章が読みづらくてかなり苦戦したのですが、それでもここに書かれていることはとても興味深いです。私が読んだのはちくま文庫版で、そちらの詳しい感想は
コチラ。巻末の「書棚の片すみに捧げる180+2冊」に挙げられている作品は
コチラ。
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子どもの本を読む」「
ファンタジーを読む」河合隼雄 講談社+α文庫(1996/01)
臨床心理学者であり、心理療法家だった河合隼雄さんの児童書・ファンタジー解説本。読みなれた名作も、河合隼雄さんの、心理学者の視点ならではの深い解釈がされているととても新鮮。ただ、あらすじも丁寧に紹介されているので未読でも全く構わないのですが、やや丁寧すぎるきらいがあるので、実際に作品を読んでから解説本として読むのがいいかもしれません。私の詳しい感想は
コチラと
コチラ。「ファンタジーを読む」と「子どもの本を読む」に挙げられている作品は
コチラ。
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ファンタジーの冒険」小谷真理 ちくま新書(1998/09)
人によって捉え方も様々なファンタジーというジャンル。ファンタジーといえば現実からかけ離れた空想世界の物語なのですが、その世界を作り出すのが人間である以上、やはり時代的・歴史的事情の影響を受け、その時代に起きた変革を色濃く反映しているもの。よく知っているようであまり良く知らない、新しいようでいて実は古いファンタジー作品を、19世紀のジョージ・マクドナルドやウィリアム・モリスといった作家から、現代日本のファンタジーノベル大賞受賞作品まで、歴史的な視点に立って概観する本です。私の詳しい感想は
コチラ。
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星のカギ、魔法の小箱」小谷真理 中央公論新社(2005/12)
語り口からすると小中学生辺りの子供が対象としか思えないのですが、挙げられている作品は大人でも楽しめる作品ばかり。ファンタジーやSFの中でも幅広いジャンルから満遍なく選んでいるという印象ですから、大人になってファンタジーやSFに興味を持った人にもオススメできます。平易な語り口だけに作品の良さが素直に伝わってきます。私の感想は
コチラ。ここに挙げられている作品のリストは
コチラ。
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ひかわ玲子のファンタジー私説」ひかわ玲子 東京書籍(1999/07)
ご自身が作家であるひかわ玲子さんは、ファンタジーと呼ばれる小説を書いていると、しばしば「ファンタジーって、何…?」という素朴な疑問をぶつけられることがあるのだそうです。そしてそれはご自身の問いでもあったのだそう。すべての小説は虚構であり、小説はすべてファンタジーだとも言える中で、特に「ファンタジー」と呼ばれる小説や物語について考えていく本です。私の詳しい感想は
コチラ。
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ファンタジーのDNA」荻原規子 理論社(2006/11)
小学校の時に児童文学の中でファンタジーに出会ったという荻原規子さんによる、ファンタジーにまつわるエッセイ。ファンタジーの作品を読んでいると、この作家さんとは子供の頃の読書経験が重なっているようだと思うことがよくあるのですが、荻原規子さんもその1人。イギリスタイプのファンタジーが好きだということも、神話や伝承が好きだということも共通しているので、とても興味深く読めました。様々なファンタジー作品に関する考察はもちろん、私的ファンタジーの書き方もあります。私の詳しい感想は
コチラ。
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大人のファンタジー読本-未知なる扉をひらく180選」やまねこ翻訳クラブ編 マッグガーデン(2006/12)
「大人にとって面白い」をキーワードに、プロの翻訳家も沢山輩出しているやまねこ翻訳クラブの面々が選んだ古今東西のファンタジー。これはという日本の作品も含まれていますが、中心となっているのはやはり翻訳物の児童書ファンタジー。子供の頃何度も読んだ物語も、大人になって改めて読み返してみると、新たな発見がありそうです。原書ガイドまであるのが、やまねこ翻訳クラブらしさでしょうか。ここに紹介されている作品リストは
コチラと
コチラ、作家Close Upは
コチラ。
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SF&ファンタジーガイド-摩由璃の本棚」神月摩由璃 社会思想社(1989/11)
ゲームの雑誌に掲載されていたブックレビューだけあり、文章がかなり砕けていて読みにくかったのですが、紹介されているSF作品やファンタジー作品は面白そうなものばかりです。紹介されている作家は40人以上。シリーズ物が多いので、かなりの作品数が紹介されています。難点は、この本自体が1989年発行で、紹介されている作品もやや古めだということ。興味を持っても、入手が難しいかもしれません。私の詳しい感想は
コチラ。ここに紹介されている作品リストは
コチラ。
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次の一冊が決まらない人のためのファンタジーブックガイド」ファンタGメン'05 ブックマン社(2005/07)
「ハリー・ポッター」でファンタジーにハマってはみたものの、次に何を読んだらいいのか分からない… という人のためのブックガイド。全部で40作品が紹介されているのですが、古典的な名作は全くなく、比較的最近の作品ばかり。しかもこのラインナップにはどこか売り手側の作為を感じてしまいます。選者が、ファンタジーが好きで好きで堪らないという人ばかりではないというのもマイナスポイント。しかし今時のファンタジーにはどんな作品があるかという意味では、十分参考になるでしょうね。ここに紹介されている作品は
コチラ。
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魔法ファンタジーの世界」脇明子 岩波新書(2006/05)
大学教授であり、ファンタジー作品の翻訳もしてらっしゃる脇明子さんの、ファンタジー論。脇明子さんの姿勢そのものが、私にはどうも納得できないものであり、最終的に論旨も掴みきれなかったのですが、「ゲド戦記」「指輪物語」「ナルニア」については興味深いことを書いてらっしゃいますし、ケルト神話やアーサー王伝説に触れてらっしゃるのもポイント。これからファンタジーの世界に入っていこうとする子供たちに手渡したい、入り口となるファンタジー作品も参考になりそうです。私の詳しい感想は
コチラ。
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たのしく読める英米幻想文学」大神田丈二・笹田直人編著 ミネルヴァ書房(1997/05)
18世紀初めに英国で小説が登場する以前は、文学といえば幻想文学のこと。小説の台頭で片隅に追いやられ、一旦は廃れたかのように見えた幻想文学ですが、小説の登場は逆に文学の幻想性を意識させることになったといいます。一口に幻想文学と言っても多種多様な幻想文学を10のテーマに分けて紹介していく本。この本に紹介されている作品は
コチラ。