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日本国内を書いた紀行文やエッセイなどにも面白い作品があります
普段ノン・フィクションはほとんど読まないので、あまり詳しくはないのですが…
他にも面白い本があれば、徐々に追加していきますね

国内紀行エッセイ作品■
見仏記(けんぶつき)」いとうせいこう・みうらじゅん 角川文庫

小学生の頃から詳細な仏像スクラップブックを作っていたというイラストレーターのみうらじゅん氏と、仏友の作家・いとうせいこう氏が、京都、奈良、東北、九州とひたすら仏ばかりを見て回る「見仏記」。ボケとツッコミ満載のお2人のやり取りの可笑しいこと!そして様々な指摘の的確なこと!特に京都の仏と東北地方の仏の違いには目から鱗でした。仏への深い愛情がたっぷりと感じられる1冊です。このシリーズは現在2巻「仏友篇」、3巻「海外篇」、そしてまで「親孝行篇」までが出版されています。私の詳しい感想はコチラ

平将門魔方陣」「大江戸魔方陣」「東京魔方陣」加門七海 河出文庫

かつて武蔵野の地に独立国を作ろうと謀反を起こし、討伐された平将門は、死後も強い影響力を持っていました。そんな平将門が魔方陣を施した武蔵野の地に住み着くに当たり、それまで住んでいた者たちの結界を自分たちの結界の中にに取り込み、さらに強力な結界を張り巡らした徳川家。そして徳川家が張り巡らした鉄壁の魔方陣を抹殺し、新たに自分達の結界をはりめぐらした現在の天皇家。しかし今、その東京の護りはどこへ…。加門七海さんが実際に地図に線を引き、足で歩いて調べていきます。とにかくそそられるモチーフが満載。読みながら、実際に地図に線引きをしたくなります。私の詳しい感想はコチラ

うわさの神仏 日本闇世界めぐり」「うわさの神仏其の二 あやし紀行」加門七海 新潮文庫

自他共に認める神仏ミーハーの加門七海さんの語り口が楽しい本。「うわさの神仏」第1部は、神様仏様の食事の話に始まり、七福神の話、仏様の身体的特徴、おみくじの引き方など、様々なことが加門流に解き明かされていきます。第2部は、各地の寺社仏閣を実際に訪ねてのオカルト混じりの紀行話。この紀行話は、「うわさの神仏2」になるとオカルト部分がさらにパワーアップ。どこに行ってもトラブルや怖い現象に巻き込まれる様は、他人事ながらも大変そう。それでもパワフルな加門さんには脱帽です。私の詳しい感想はコチラ

平成お徒歩日記」宮部みゆき 新潮文庫

江戸時代を舞台にした時代小説も書いている宮部みゆきさんが、江戸時代を体感してみようと、実際に色々な場所を歩いて回る紀行エッセイ集。吉良邸討ち入りを果たした赤穂浪士が泉岳寺まで引き上げた道筋や、毒婦みゆきの「市中引廻しの上、獄門」コース、越すに越されぬ箱根の八里の山越えルート、江戸城一周、八丈島島流し体験、「本所深川ふしぎ草紙」にも登場する本所七不思議巡り、江戸の人たちの憧れの地、善光寺・伊勢参り、そしてこの企画のきっかけとなった深川散策。宮部みゆきさんのお茶目な人柄が垣間見える文章もまた楽しいのです。私の詳しい感想はコチラ

京都魔界案内」「日本魔界案内」小松和彦 光文社知恵の森文庫

様々な寺社仏閣を、「魔界」という観点から論じ、紹介している本。「鬼」「呪い」などの分野に造詣の深い小松氏ならではの切り口ですね。良く知っているはずの場所にも意外なエピソードが潜んでおり、まるで違う面を見せてくれるのがとても興味深いです。縁結びの神は縁切りの神に繋がるという通り、それが物事は何でも光の面と闇の面を持ち合わせているということなのでしょうね。写真もふんだんに使ってあり、その寺社仏閣の由来やご利益、本尊、主なイベントや交通も書いてあるので、実際のガイドブックとしてもお役立ち。「日本」「京都」の他に、「東京魔界案内」も出版されています。

作家の犯行現場」有栖川有栖 メディアファクトリー

ダ・ヴィンチ誌に連載していたエッセイをまとめた本。恩田陸「puzzle」の舞台ともなった軍艦島に始まり、横溝正史作品の舞台や江戸川乱歩ゆかりの地、森博嗣「そして二人だけになった」の舞台・A大橋のアンカレイジ内や、綾辻行人「霧越邸殺人事件」の霧越湖のモデルとなった白駒池など、訪れたミステリ作品ゆかりの地は全部で21箇所。その合間には、「水底の摩天楼」「騙し絵奇譚」という幻想的な短編も挟まれています。この本を読んでいて、舞台となった場所を訪れたいというよりもむしろ、各章で紹介されたミステリ作品が読んでみたくなったのは、やはりこれが「作家の犯行現場」だからなのでしょう。私の詳しい感想はコチラ

ごちそう山」谷村志穂・飛田和緒 集英社文庫

谷村志穂さんと飛田和緒さんによる、5年間にわたる山登りのエッセイ。山登りに関してはまるで素人の2人も、ベテランたちに助けられながら、徐々に本格的な登山に挑戦することになります。山を丸ごと楽しんでしまおうというお2人の姿勢がいいですね。この本では、谷村さんが文章を、料理研究家の飛田さんが料理と絵を担当。本をパラパラとめくると、まず飛田さんの美味しそうな料理のイラストに目を惹かれます。簡単でありながらも工夫が凝らされたアイディア料理の数々は、日常生活の中でも十分楽しめそうです。私の詳しい感想はコチラ

へなちょこ探検隊」銀色夏生 幻冬舎文庫

副題は「屋久島へ行ってきました」。銀色夏生さんと幻冬舎の「菊池さん」という、あまりアウトドア派ではないらしい2人が屋久島へと向います。屋久島通に船を勧められても飛行機を選び、夜はゆっくり休みたいとホテル泊まりを選び、往復10時間かかるという屋久杉もあっさりパス。旅に対する気負いがまるでなく、淡々と自然体でその空間を楽しんでいる感じ。ほのぼのとしています。写真も沢山載っていて、百合もいいのですが、特に森の緑が印象に残ります。森の中での深呼吸が羨ましかったです。

ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう」はな 東京書籍

モデルのはなさんが、奈良や京都にある20の寺院と仏像を訪ね歩いた本。大学で美術史を専攻した時、スライドで見た仏像に興味を持ったのがきっかけで、「プリティ」で「セクシー」な仏像に夢中になってしまったのだそうです。様々な仏像の紹介には愛が感じられますし、道を行く男性よりも仏像に見とれてしまうはなさんの目を通して見た仏像は、お洒落だったりセクシーだったりと新鮮。はなさんご自身が描かれた仏像その他の可愛いカットもたくさん挟まれて、眺めているだけでも楽しい本です。

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