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このページは、アンソロジーの本の感想のページです。

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「あおいろの童話集」東京創元社(2008年2月読了)★★★★★

ヴィクトリア女王時代の1889年に出た「あおいろの童話集」は、アンドルー・ラングがに世界各地の伝承文学からよりすぐりの作品を子供たちに提供しようとした古典童話集。この本が好評だったことから、1910年までの間に12冊の童話集が出ることになったのだそうです。日本でもそれらの童話集が川端康成らによって訳されて1958年から1959年に全12巻の「ラング世界童話集」が刊行され、その後ポプラ社や偕成社版も刊行されましたが、長らく絶版となっており、今回新訳と共に復刊したものです。(「TALES FROM THE BLUE FAIRY BOOK」)

「アラビアン・ナイト」や北欧の伝承童話集「太陽の東 月の西」などでもお馴染みの童話が18編収められています。ラングの全集を日本で最初に刊行する際に、東京創元社では12冊の内容を独自に組みなおしたとのこと。ラング自身も子供の読者を考慮して物語を多少編集しているようですし、日本語訳を出す際にも残虐で暴力的なもの、差別的なものを省いたそうなので、子供から大人まで安心して読める1冊となっています。そして日本版では、オリジナルの37編から18編に減らされており、巻末の原書目次をざっと見てみると、どうやらグリム童話は今回全て省かれているようです。全体的に日本で手にしやすいもの、日本の昔話を除外したというのは、この辺りなのですね。
オリジナルの版に使われているというヘンリー・J・フォードによる挿絵も素敵です。ラファエル前派の画家・エドワード・バーン=ジョーンズの影響を受けているのだそう。(「あおいろ」「あかいろ」だけは、ジョージ・パーシー・ジェイコム=フッド、ランスロット・スピードの画家の絵も入っているとのこと。)(2008/01初版)

収録:「ヒヤシンス王子とうるわしの姫」(ルプランス・ド・ボーモン夫人)、「アラディンと魔法のランプ」(アラビアン・ナイト)、「マスターメイド」(P.C.アスビョルセンとJ.モー)、「海の水がからいわけ」(P.C.アスビョルセンとJ.モー)、「フェリシアとナデシコの鉢」(オーノワ夫人)、「白い猫」(オーノワ夫人)、「スイレンと、金の糸をつむぐむすめたち」(不詳)、「うるわしき金髪姫」(オーノワ夫人)、「ウィッティントンのお話」(不詳)、「ふしぎな羊」(オーノワ夫人)、「四十人の盗賊」(アラビアン・ナイト)、「ヒキガエルとダイヤモンド」(ペロー)、「いとしの王子」(Cabinet des Fees)、「ガラス山の姫ぎみ」(P.C.アスビョルセンとJ.モー)、「アフメド王子と妖精ペリバヌー」(アラビアン・ナイト)、「巨人退治のジャック」(チャップブック)、「ノロウェイの黒牛」(チェンバーズ「スコットランドの昔話」)、「赤鬼エティン」(チェンバーズ「スコットランドの昔話」)


「あかいろの童話集」東京創元社(2008年2月読了)★★★★★

収録:「サンザシ姫」(オーノワ夫人)、「ソリア・モリア城」(P.C.アスビョルセン)、「不死身のコシチェイの死」(ロールストン)、「黒い盗人と谷間の騎士」(アイルランドの昔話)、「泥棒の親方」(P.C.アスビョルセン)、「ロゼット姫」(オーノワ夫人)、「ブタと結婚した王女」(ルーマニアの昔話)、「ノルカ」(不詳)、「小さなやさしいネズミ」(オーノワ夫人)、「六人のばか」(M.ルモイン ベルギー・エノー州の昔話)、「木の衣のカーリ」(P.C.アスビョルセン)、「アヒルのドレイクステイル」(シャルル・マレル)、「ハーメルンのふえふき男」(シャルル・マレル)、「金ずきんちゃんのほんとうの話」(シャルル・マレル)、「金の枝」(オーノワ夫人)、「マダラオウ」(J.モー)、「イラクサをつむぐむすめ」(シャルル・ドゥラン)、「ファーマー・ウェザー・ビアード」(P.C.アスビョルセン)、「木のはえた花嫁」(J.モー)、「七頭の子馬」(J.モー)(「TALES FROM THE RED FAIRY BOOK」2008/01初版)


「みどりいろの童話集」東京創元社(2008年3月読了)★★★

収録:「青い鳥」(オーノワ夫人)、「ロザネラ姫」(不詳)、「シルヴァンとジョコーサ」(ケーリュス伯爵)、「妖精のおくりもの」(ケーリュス伯爵)、「三匹の子豚」(不詳)、「氷の心」(ケーリュス伯爵)、「魔法の指輪」(フェヌロン)、「金色のクロウタドリ」(セビヨ)、「小さな兵士」(シャルル・ドゥラン)、「魔法の白鳥」(クレトケ)、「きたない羊飼い」(セビヨ)、「魔法をかけられたヘビ」(不詳)、「身から出たさび」(クレトケ)、「コジャタ王」(ロシアの昔話)、「気まぐれ王子と美しいヘレナ」(ドイツの昔話)、「ホック・リーと小人たち」(中国の昔話)、「三匹のクマの話」(サウジー)、「ヴィヴィアン王子とプラシダ姫」(Nonchalante et Papillon)、「つむと杼とぬい針」(グリム)、「オオカミとキツネの戦い」(グリム)、「三匹の犬」(グリム)(「TALES FROM THE GREEN FAIRY BOOK」2008/03初版)


「きいろの童話集」東京創元社(2008年6月読了)★★★★

収録:「猫とネズミのふたりぐらし」(不詳)、「北方の竜」(エストニアの昔話)、「黄金のカニ」(ギリシアの昔話)、「竜と竜のおばあさん」(不詳)、「小さな緑のカエル」(Cabinet des Fees)、「七つ頭の大蛇」(ギリシアの昔話)、「動物たちの恩返し」(ハンガリーの昔話)、「巨人と羊飼いの少年」(ブコヴィナの昔話)、「カラス」(ポーランドの昔話)、「六人の男が広い世界をわがもの顔で歩く話」(不詳)、「魔法使いの王さま」(Les Fees illustres)、「ガラスの山」(ポーランドの昔話)、「緑のサル、アルフィージ」(不詳)、「妖精より美しい金髪姫」(不詳)、「三人の兄弟」(ポーランドの昔話)、「男の子とオオカミ-守られなかった約束」(ネイティブ・アメリカンの昔話)、「死んだ妻」(イロコイ族の昔話)、「白いアヒル」(不詳)、「魔女と召使い」(ロシアの昔話)、「魔法の指輪」(不詳)、「花の女王のむすめ」(ブコヴィナの昔話)、「飛ぶ船」(ロシアの昔話)、「霜の王」(ロシアの昔話)、「魔女」(ロシアの昔話)、「リング王子」(アイスランドの昔話)、「石の舟に乗った魔女」(アイスランドの昔話)、「とんまなハンス」(不詳)、「かがり針の物語」(不詳)(「TALES FROM THE YELLOW FAIRY BOOK」2008/05初版)


「ももいろの童話集」東京創元社(2008年8月読了)★★★★

収録:「小さな妖精と食料品屋」(アンデルセン)、「森の家」(グリム)、「ひつぎのなかの姫」(デンマークの昔話)、「仲のいい三人兄弟」(グリム)、「人魚のむすこハンス」(デンマークの昔話)、「グリップという鳥」(スウェーデンの昔話)、「スノーフレイク」(スラブの昔話)、「ずるがしこい靴屋」(シチリアの昔話)、「カテリーナと運命の女神」(シチリアの昔話)、「隠者の手引きで姫をめとった男の話」(シチリアの昔話)、「命の水」(カタルーニャの昔話)、「きずついたライオン」(カタルーニャの昔話)、「兄と弟」(シチリアの昔話)、「魔法使いと弟子」(デンマークの昔話)、「金のライオン」(シチリアの昔話)、「ローズマリーの小枝」(カタルーニャの昔話)、「白いハト」(デンマークの昔話)、「トロルのむすめ」(デンマークの昔話)、「エスベンと魔女」(デンマークの昔話)、「ミノン・ミネット姫」(Bibliotheque des Fees et des Genies)、「ゆかいなおかみさんたち」(デンマークの昔話)、「リンドオルム王」(スウェーデンの昔話)、「ちびの野ウサギ」(バソト族の昔話)、「チックの話」(シチリアの昔話)、「幸運のドン・ジョバンニ」(シチリアの昔話)(「TALES FROM THE PINK FAIRY BOOK」2008/07初版)


「はいいろの童話集」東京創元社(2008年10月読了)★★★★

収録:「ロバむすめ」(Cabinet des Fees)、「ぜったいとけない魔法」(不詳)、「泥棒とうそつきのふたり組み」(不詳)、「ヤギ顔のむすめ」(イタリアの昔話)、「花をつんで起こったできごと」(ポルトガルの昔話)、「ベンスルダトゥの物語」(シチリアの昔話)、「魔法使いの馬」(不詳)、「小さな灰色の男」(ドイツの昔話)、「ラザルスとドラーケン」(不詳)、「<花の島々>の女王」(Cabinet des Fees)、「白いオオカミ」(不詳)、「ボビノ」(不詳)、「太守の三人のむすこ」(不詳)、「キルカスのおとめたちの話」(Cabinet de Fees)、「ジャッカルと泉」(バソト族の昔話)、「クマ」(不詳)、「お日さまの子ども」(不詳)、「ブク・エテムスクのむすめ」(トリポリの詩と昔話)、「笑っている目と泣いている目、または脚の悪いキツネの話」(スラブの昔話)、「街角の音楽隊」(ドイツの昔話)、「人食い鬼」(イタリアの昔話)、「妖精のあやまち」(Cabinet des Fees)、「のっぽとふとっちょと目きき」(スラブの昔話)、「ブルネッラ」(不詳)(「TALES FROM THE GRAY FAIRY BOOK」2008/09初版)


「むらさきいろの童話集」東京創元社(2009年2月読了)★★★★

収録:「トントラヴァルドのお話」(エストニアの昔話)、「世界で一番のうそつき」(セルビアの昔話)、「三人のふしぎなものごい」(セルビアの昔話)、「けものを従えた三人の王子」(リトアニアの昔話)、「九羽のクジャクと金のリンゴ」(セルビアの昔話)、「リュートひき」(ロシアの昔話)、「たまごから生まれた王女」(エストニアの昔話)、「スタン・ボロバン」(ルーマニアの昔話)、「あるガゼルの物語」(スワヒリの昔話)、「あかつきの妖精」(ルーマニアの昔話)、「野ウサギを集めたイェスパー」(スカンジナビアの昔話)、「地下の鍛冶屋」(エストニアの昔話)、「長鼻の小人の物語」(不詳)、「人食いヌンダ」(スワヒリの昔話)、「ハッセブの話」(スワヒリの昔話)、「金の星をつけた子どもたち」(ルーマニアの昔話)、「地下にかくされた王女」(ドイツの昔話)、「男になりすました王女」(ジュール・ブランとレオ・バシュラン)、「世界を見たかった王子の話」(ポルトガルの昔話)、「モガルゼアとむすこ」(ルーマニアの昔話)(「TALES FROM THE VIOLET FAIRY BOOK」2008/09初版)


「べにいろの童話集」東京創元社(2009年3月読了)★★★★

収録:「美しいイロンカ」(ハンガリーの昔話)、「ラッキー・ラック」(ハンガリーの昔話)、「王さまのご健康をおいのりして!」(ロシアの昔話)、「七人のシモン」(ハンガリーの昔話)、「王子とドラゴン」(セルビアの昔話)、「小さな<野バラ>」(ルーマニアの昔話)、「笛吹きのティードゥ」(エストニアの昔話)、「パペラレッロ」(シチリアの昔話)、「魔術師のおくりもの」(フィンランドの昔話)、「宝さがし」(不詳)、「若者と猫」(アイスランドの昔話)、「不死を求めて旅をした王子」(ハンガリーの昔話)、「金色のひげの男」(ハンガリーの昔話)、「トリティルとリティルと鳥たち」(ハンガリーの昔話)、「三枚のローブ」(アイスランドの昔話)、「びんぼうむすこがピロ伯爵になった話」(シチリアの昔話)、「アイゼンコプフ」(ハンガリーの昔話)、「ニールスと巨人たち」(不詳)、「羊飼いのポール」(ハンガリーの昔話)、「名馬グトルファフシと名剣グンフィエズル」(アイスランドの昔話)、「にせ王子、あるいは、野心家の仕立て屋の話」(不詳)、「猫屋敷」(不詳)、「ほんとうの友の見つけ方」(シチリアの昔話)(「TALES FROM THE CRIMSON FAIRY BOOK」2008/09初版)


「ちゃいろの童話集」東京創元社(2009年4月読了)★★★★

収録:「玉運びと魔物」(U.S.Bureau of Ethnology)、「玉運び、つとめをはたす」(ネイティブ・アメリカンの昔話)、「魔物バニヤップ」(Journl of Anthropological Institute)、「ぶつぶつ父さん」(Contes Populaires)、「ヤラの話」(Folklore Bresilien)、「頭のいい子ウサギ」(ネイティブ・アメリカンの昔話)、「弱虫のゲイラルドがむくいを受けるまで」(アイスランドの昔話)、「ハウボキ」(アイスランドの昔話)、「末の弟が兄たちを助けた話」(Bureau of Ethnology)、「クーモンゴーの聖なる樹液」(バソト族の昔話)、「よこしまなクズリ」(Bureau of Ethnology)、「人魚と王子」(ラップランドの昔話)、「ピビとカボ」(モンセロン)、「エルフのおとめ」(ラップランドの昔話)、「馬や牛が人に飼われるようになったわけ」(ラップランドの昔話)、「魔法の首」(Traditions populaires de toutes les nations)、「太陽の妹」(ラップランドの昔話)、「王子と三つの運命」(古代エジプトの昔話)、「キツネとラップ人」(ラップランドの昔話)、「猫のキサ」(アイスランドの昔話)、「アスムンドとシグニー」(アイスランドの昔話)、「リューベツァール」(ドイツ人の民話)、「運命にうち勝とうとした王さまの話」(インド人からの聞き書き)、「心やさしいワリ・ダード」(インド人からの聞き書き)、「魚の騎士」(フェルナン・カバリェーロ)(「TALES FROM THE BROWN FAIRY BOOK」2008/09初版)


「だいだいいろの童話集」東京創元社(2009年6月読了)★★★★

収録:「勇者マコマの物語」(センナの口承伝承)、「魔法の鏡」(センナの昔話)、「この世で天国を見ようとした王さまの話」(パターン族に伝わる話をキャンベル少佐が聞き書きしたもの)、「ウサギのイスロがグドゥをだました話」(ショナ族の昔話)、「キツネとオオカミ」(アントニオ・デ・トルエバ"Cuentos Populares")、「イアン・ジーリハが青いハヤブサをつかまえた話」(西ハイランド昔話集)、「ふたつの小箱」(ソープ"Yule-Tide Stories")、「魔法の花かんむり」(ソープ"Yule-Tide Stories")、「かしこい猫」(ベルベル人の昔話)、「泥棒のピンケル」(ソープ"Yule-Tide Stories")、「ジャッカルの冒険」(新・ベルベル人の昔話)、「三つの宝」(スラブの昔話)、「白い雌ジカ」(オーノワ夫人"Contes des Fees")、「魚になったむすめ」(カタルーニャの昔話)、「フクロウとワシ」("The Journal of the Anthropological Institute")、「カエルの精とライオンの精」(オーノワ夫人"Contes des Fees")、「ベリャ・フロール姫」(フェルナン・カバリェーロ"Cuentos, oraciones, y Adivinas")、「真実の鳥」(フェルナン・カバリェーロ"Cuentos, oraciones, y Adivinas")、「アンドラス・ベイヴ」(ラップランドの昔話)、「白いうわぐつ」(ラップランドの昔話)(「TALES FROM THE ORANGE FAIRY BOOK」2008/09初版)


「くさいろの童話集」東京創元社(2009年8月読了)★★★★

収録:「マドシャン」(トルコの昔話)、「青いオウム」("Les Cabinet des Fees"の短縮版)、「王女ゲールラウグ」(アイスランドの昔話)、「小人の王さまロクの話」(M.アナトール・フランス"Abeille"の短縮版)、「そんな話があるもんか」(口承伝承)、「ジャッカルか、それともトラか」(不詳)、「くしと首環」(アントニー・ハミルトン伯爵"Fairy Tales")、「クプティーとイマーニ」(パンジャブの昔話)、「みごとな化かし合い」(パンジャブの昔話)、「緑の騎士」(エヴァルド・タング・クリステンセン"Eventry fra Jylland")、「金色の頭の魚」(アルメニアの昔話)、「ドラニ」(パンジャブの昔話)、「繻子の医者」("Cabinet des Fees")、「ズールビジアの物語」(アルメニアの昔話)、「欲ばりの丸損」(キャンベル少佐 フィーローズプル)、「ヘビの王子」(キャンベル少佐 フィーローズプル)、「機織りの知恵」(アルメニアの昔話)、「ついにおそれを知った若者の話」(トルコの昔話)、「がまんは一生の宝」(アルメニアの昔話)、「物言わぬ王女」(トルコの昔話)(「TALES FROM THE OLIVE FAIRY BOOK」2008/09初版)

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