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このページは、梨木香歩さんの本の感想のページです。

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「西の魔女が死んだ」小学館(2001年5月読了)★★★★★お気に入り

西の魔女が死んだ。おばあちゃんが亡くなったという知らせをうけて、まいはおかあさんと一緒におばあちゃんの家へと向かいます。そしてその途中、おばあちゃんの家での日々を思い出すまい。二年前、中学1年の頃、登校拒否となってしまったまいは、おばああちゃんの家で一ヶ月ほど過ごしたことがあったのです。イギリス人のおばあちゃんの暮らしは、周りの自然と一体化した暮らし。毎日ゆるやかで規則正しい時間が流れていました。

以前から存在だけは知っていたのですが、オズの魔法使いを思い出させる題名からか、なかなか手にとる気がしなかった作品。しかし色々なサイトで梨木香歩さんの本「からくりからくさ」や「りかさん」が話題になっていたので、丁度良い機会と図書館から一緒に借りてきました。
まずおばあちゃんの家での暮らしの描写がとても素敵ですね。バケツ3つ分のルビーのように赤い木いちごで作ったジャム、たらいで踏み洗いをしてラベンダーの上に干したシーツ(乾いたシーツはラベンダーと陽の光のにおい)、畑にまく虫除け用のセージとミントのハーブティ、まいの好きな杉林と竹林の間の切り株がたくさんある場所、それらのものがとても色鮮やかに浮かんできます。おばあちゃんとまいとの会話もとても楽しいです。しかしそれらの光とも言える存在に対して、ゲンジさんへの激しい嫌悪感、襲われたにわとり、「扱いにくい子」「生きていきにくいタイプの子」という母親の言葉、信じていた価値観から裏切られた思いなど、影となる部分との対比があります。それでもこの作品は全体に透明なすがすがしい雰囲気に包み込まれていますね。周りの余計な声に惑わされないで、自分自身を信じてあげることが大切。それを頭で理解するだけでなく、体感していくことが大切なのですね。
最後のおばあちゃんの残したメッセージがとても粋で素敵でした。…これで救われました。


「丹生都比売(におつひめ)」原生林(2001年6月読了)★★★★★お気に入り

兄である中大兄皇子との確執により、追われるように吉野へと下った大海人皇子の一行。そして吉野へ着いた草壁皇子は、初めて外に出た日に不思議な少女に出会います。草壁皇子と同じぐらいの年の、言葉が不自由な少女。しかし彼女は白い肌に黒い目という、鄙人らしからぬ雅びた雰囲気を持っていました。蛇に噛まれたらしい彼女の踵から毒を吸い出してやった草壁皇子は、次の日再び会った彼女から深い銀色の光を放つ勾玉を渡され、少女に「キサ」という名前をつけます。それから始まる皇子と少女の交流。草壁皇子の体が弱く、皇子らしいことがあまり得意ではないことを、キサは決して蔑んだり哀れんだりしません。それどころか、不思議と皇子の心が沈んでいる時に現れ、皇子の悲しみを和らげてくれるのです。そして、いつからか草壁皇子は、気丈で強くみえる母の孤独な心の夢を見るようになります。

大海人皇子(後の天武天皇)と鸛野讃良皇女(後の持統天皇)の息子である草壁皇子の物語。この時代のお話は元々大好きなのですが、草壁皇子が主人公となっている物は初めてでした。いつも大津皇子と比べられ、地味な存在で終わってしまっている草壁皇子がとても優しくて素敵です。こういう話を読むとまた見る目が変わってしまいますね。また、強い女のイメージしかなかった鸛野讃良皇女も別の一面も見れるのが新鮮。そして水のようにしなやかなキサも魅力的。言葉の一つ一つが大切に選ばれて、淡々と語られていきます。冬の空気のような清々しく、しかし同時にとても哀しい物語でした。


「エンジェルエンジェルエンジェル」新潮文庫(2004年3月読了)★★★★

補習や宿題の多さで有名な進学校に通い、その疲れとストレスから情緒不安定なコウコ。コウコは自分がカフェイン中毒であることに気づき、神経を落ち着かせるために熱帯魚を飼いたいと思うようになります。一家揃ってアメリカに言った伯父たちに代わり、ボケかけている父方の祖母を預かったコウコの家。祖母の真夜中のトイレを母の代わりに連れて行くという約束で、コウコは念願の熱帯魚を飼う許可を得ることに。そして居間に置いた水槽の熱帯魚を通して、祖母とコウコの交流が始まります。

コウコの現在と、コウコの祖母の「さわちゃん」の女学校時代の話が交互に語られていきます。それも「さわちゃん」の部分は全て旧仮名遣いという徹底ぶり。ハードカバーでは、字体と文字色も変えてあるのだそうです。この2つの別々の物語は、最初は平行線を辿り、どのように交差するのか全く見えません。しかし徐々に近づき始め、微妙にリンクし始めると、一見普通に見えるコウコと「さわちゃん」の会話が、どんどん深くなっていくのです。この、静かでありながら、確実に起きる変化がいいですね。最後の重なる部分が非常に良かったです。
この物語の大きなキーワードとなっているのが熱帯魚なのですが、ネオンテトラを攻撃し、その攻撃が止まらなくなってしまったエンジェルフィッシュの姿がとても痛々しいですね。そしてその姿は、それぞれの登場人物にも重なっていきます。「エンジェルエンジェルエンジェル」という題名や、コウコが飼う熱帯魚は「エンジェルフィッシュ」など、これでもかというほどに「天使」が登場するのですが、これによって際立たされているのは、むしろ「悪魔」の存在。人間の心は、時には「天使」であり、時には「悪魔」となるものですが、それにしてもこの短い期間の中で、コウコもコウコの母も「さわちゃん」も、それぞれに自分の中の悪魔と向き合うことになったのかと思うと、とても切なくなってしまいます。


「裏庭」理論社ライブラリー(2001年6月読了)★★★

桐原照美は中学生の女の子。両親がレストランを経営していて多忙なため、六年前に双子の弟の純が亡くなって以来、一日のほとんどを一人で過ごしています。そんな照美がよく遊びに行くのは友達の綾子の家。照美は綾子のおじいちゃんとも仲良くなり、おじいちゃんが話す丘の麓のバーンズ屋敷の話に夢中になります。このバーンズ屋敷というのは、戦前に外人の別荘として使われていたのですが、いつしか無人となり、近所の子供達の遊び場となっている場所なのです。おじいちゃんにバーンズ屋敷の秘密を聞いた照美は、ある日やりきれない思いを抱えてついふらふらとバーンズ屋敷を訪れ、鏡を通って裏庭に入り込んでしまいます。

異世界と現実の世界が交錯し、とても寓意の多いファンタジーです。読みながらジョージ・マクドナルドの「リリス」を思い浮かべてしまいました。両親に構ってもらえなくて、でもそれが言い出せずに良い子になっている照美、厳しすぎる母親に育てられたせいで娘をうまく愛することができないさっちゃん、脳に障害のある息子に正面から向かい合えなかったため息子の死にも泣くことができず、ただただ仕事に没頭する徹夫… 物語の中枢にあるのは、「愛」による「傷」と「癒し」でしょうか。
一番心に残ったのは、さっちゃんの「子どもを持つと、母親は強くなりますね。」という言葉を受けての、夏夜さんの「本当に強くなったんだとお思いになる?私は違うと思うの。それは、鎧みたいなものなの。心の一番柔らかい部分が傷を負わないように、ガードするのね。」という返事。ここに出てくる照美もさっちゃんも妙さんも徹夫も、みんな本当はもっと素直に人と接したいと思っていたはずなのに、少しずつ自分で自分をガードしているうちに、気が付いたら固い鎧を着込んでしまっていたのですね。この言葉は私にとってかなり痛い言葉でした。当り障りのない常套句や丁寧な言葉づかいによって、私も鎧を着込んでいるのかも…。しかし一旦着てしまった鎧は、なかなか簡単には脱ぐことができないのですね。
ジャンルとしては児童書ですし、ただ単に筋を追うだけでも楽しめると思いますが、実はかなり深い話ですね。一度読んだだけで、きちんと理解できているのかどうか自信がないのですが、いろいろと考えさせられることの多い物語でした。


「からくりからくさ」新潮社(2001年6月読了)★★★★★お気に入り

蓉子の祖母が他界。元々祖母の持ち物だった大切な市松人形の「りかさん」は、祖母の道行きを見届けるためにしばらく喪に服すと宣言します。しかし49日を過ぎても覚醒しないりかさん。一方蓉子の両親は祖母の住んでいた家を女子学生の下宿とすることに。そしてその下宿に、現在染色工房に通いながら染色家をめざす蓉子自身も住み込み、1階の一部を染色のための工房にすることになります。アメリカから鍼灸を学びに来ているマーガレット、美大の学生で機織をできる下宿を探していた内山紀久と佐伯与希子の3人の下宿人も決まり、4人とりかさんの共同生活が始まります。

「りかさん」よりも先に書かれているのですが、「りかさん」の続きと言える作品です。
おっとりとした蓉子、穏やかだが内面には激しい物を持っている紀久、外交的でざっくばらんな与希子、なかなか融通がきかない不器用なマーガレットという、性格の全く違う4人のメンバーの組み合わせなのですが、でも4人の共通点は手仕事をすること。そして自然を大切にした暮らしを送ること。それぞれに興味の対象は違うものの、丁寧に日々の生活を送っているのがいいですね。季節を感じさせる描写も多く、庭のタンポポやカラスノエンドウ、露草などといった植物を気軽に食べ、植物で色を染め、染めた糸で機を織る…。つつましいながらも、心の豊かになるような生活を送っているのがとても素敵です。
しかし4人の生活は良いことばかりではなく、悲しい出来事や軋轢も当然あります。そういう負の出来事の中でも一番大きいのは、この4人とりかさんの歴史が、まるでからくさのように絡み合っているのが分かっていく部分。これに関してはかなり複雑で、一読しただけではあまりよく理解できなかったのが残念でした。しかも、それまでの淡々とした物語の流れを分断してしまうような、かなり生臭い話。なぜそこまで、と思ってしまったのですが、しかしそれもまた綺麗事だけでは済まされない、昔の日本の女性たちの暮らしぶりや、りかさんの存在理由を象徴するような出来事なのでしょうか。
りかさんが覚醒しなかったのは、やはり蓉子のおばあさんである「麻子さん」が、りかさんにとって一番の主人であり、その死によって自分の役割は終わったと感じたからなのでしょうね。しかしもしかすると、蓉子のためもあったのかもしれません。おそらくりかさんにとっては、麻子さんや蓉子との生活はかなり居心地が良いものだろうと思うのですが、しかし蓉子をいとおしく思いながらも、あまりに幼い頃から親密になりすぎたために、りかさん自身、このまま暮らしつづけてしまって良いものかと迷っていたのではないかと思うのです。そしておばあさんの死をきっかけに、蓉子を自分から卒業させる道を選んだのではないかと…。最後の炎のシーンには、りかさん自身の意思も入っていたかもしれないですね。最初に読んだ時は、ここまでやる必要があったのかという思いもあったのですが、りかさん自身が卒業するためにも必要な儀式だったのかもしれません。そう思うと、物語の幕切れに相応しいエンディングだったと思えてきます。とてもしみじみとした余韻の残る、素敵な物語でした。


「りかさん」偕成社(2001年5月読了)★★★★

ある日おばあちゃんに雛祭りに欲しい物はないかと聞かれたようこは、リカちゃん人形が欲しいとねだります。その少し前に友達の所に遊びに行った時、ようこ以外の全員がリカちゃん人形を持っていたのです。しかし祖母から実際に送られてきたのは、リカはリカでも市松人形の「りかさん」でした。がっかりするようこ。しかしその「りかさん」は不思議な力を持っていたのです。「りかさん」は早速ようこの悲しい切ない思いを浄化。そしてようこは「りかさん」によって、人形の思いや言葉を知ることができるようになります。

人形が話すのを聞くことができるようになる、と聞くとそのままファンタジックな展開をしていきそうなのですが、これが一筋縄ではいきません。それぞれの人形が持つ思いがたくさん詰まっていて、重いほど。それは人形たちが楽しい素敵な思い出ばかりではなく、元の持ち主の遺恨や無念の思いをも抱えているから。しかしそういう悲しい気持ちのせいで頑なになっていた人形たちの心を、りかさんとようことおばあちゃんがそっと包み込んで開放してあげる様は、とても切なく、しかし暖かくて、読んでいる私も優しい気持ちでいっぱいになりました。
私も一応リカちゃん遊びもしたことはあるのですが、あまり夢中になってお人形遊びをした覚えもないのです。「人形遊びをしないで大きくなった女の子は、疳が強すぎて自分でも大変。」 という文章を読んで、どきっとしてしまいました。この「りかさん」の後日談が「からくりからくさ」だそうなので、そちらもぜひ読んでみたいですね。とても濃密な空間を持った素敵な物語でした。


「春になったら莓を摘みに」新潮社(2004年4月読了)★★★

英国に半年間滞在していた梨木香歩さんのエッセイ集。ロンドンの南のサウス・ダウンズの家に住みながら、20年前の学生時代、14年前の再渡英の際に滞在していた、S・ワーデンのウェスト夫人(梨木さんが師事していたという、英国児童文学者のベティ・モーガン・ボーエン)の下宿の思い出も交えて語られていきます。

題名から想像されるような、イギリスの長閑な田園の日常生活の話ももちろんあるのですが、それ以上に、日常で出会った人々との話が中心。「理解はできないが受け容れる」を実践しているウェスト夫人の周囲には様々な人々が集まり、時には下宿の中でも文化や宗教、人種の異なる人々が衝突したりもします。しかし、たとえ理解はできなくとも、とりあえず受け容れてみるという姿勢によって、その世界はとても広がっていくようですね。心を閉ざし、切り捨ててしまうのは簡単なこと。でもお互いにその存在を認め合うことによって得られるものは、想像以上に大きいように思います。そして梨木さんは、そんなウェスト夫人の影響を大きく受けてらっしゃるのですね。この本を読んでいると、「西の魔女が死んだ」や「裏庭」に見られる英国的な部分は、こうした英国での体験からきたものだったということが良く分かりますし、梨木さんの物語にいつも感じていた静かな翳りのようなものの正体が分かったような気がしました。
一番印象に残ったのは、「夜行列車」の、カナダのプリンスエドワード島に向かう列車の中での車掌とのやりとりでしょうか。イギリスでのリスやニューヨークのクリスマスなど、印象に残る情景も多かったです。


「ペンキ屋」理論社(2004年4月読了)★★★★

小さい頃からペンキが大好きで、塗装店でペンキや見習いとして働くしんや。しかしペンキ塗りという仕事は見た目よりもずっと難しく、しんやはなかなかお客の思うような色を出せません。そんなしんやの亡くなった父親もペンキやでした。しかも不世出のペンキや。しかししんやとは一度も会わないまま、フランスで亡くなっていたのです。しんやはどうしても父親の墓を訪ねたくなり、船でフランスへと渡ります。

梨木香歩さんの絵本。絵本とは言っても文字が多いので、ある程度の年齢以上が対象なのでしょうね。
人それぞれの心が望んでいる色を見つけて塗るだなんて、なんて素敵な仕事なのでしょう。もちろん口に出して注文した色と、心の奥底で望んでいる色が違うことも多々あるわけで、すぐに満足するお客さんばかりとは限りません。それでも自分が本当に望んでいた色に囲まれて過ごせたなら、心はどんどん豊かになれそうですね。
そしてユトリロの白は、私も大好きな白色です。言葉では表現するのが難しいと思うその白色を、「すべての色を含んだ白」と表現しているのは、なるほどと感心させられました。挿絵を描いてらっしゃる手久根育さんの微妙な色彩もいいですね。特にしんやが船から見る朝焼け、夕凪、そして夜の海の場面がとても美しかったです。ユトリロの白を表現するのにもぴったりですね。

収「ところどころ若々しい緑や、深い闇を思わせる漆黒に近い紫 黄金の夜明けのようなまぶしい黄金色が滲んでいたり… それはすべての色を含んだ白 そうです あのユトリロの白でした」


「蟹塚縁起」理論社(2004年4月読了)★★★

ある月夜、ざわざわといういう音で目が覚めた「とうきち」が見たのは、大勢の蟹がとうきちの家の前を流れる小川から、家の床下を通って隣の山に移動している光景。その前日の昼、名主の息子が沢蟹を釣っては手足をむしり取って遊んでいるところを見たとうきちは、捕らえられていた蟹を全て放してやっており、その翌日、お礼にと蟹が押しかけ女房の姿となって来ていたのです。

カラフル文学館の絵本、第2弾。
「つる女房」のように始まった物語は、どんどん様々な昔話を吸収しながら広がっていくようです。
物事には必ず裏と表があるものだとは思っていたのですが、「七右衛門は情愛が人一倍強く、そのため怒りや憎しみもまた強い力を持っていたのでした。」という文章に、はっとさせられました。家来にとっては情愛の深い七右衛門は、大抵の場合良い主だったはず。しかしその情愛に包まれているうちは、その裏にある憎しみや怒りの強さにはなかなか気付かないのでしょうね。周囲だけでなく、本人も。本当は良いことのはずの「情愛の強さ」が、六部という客観的な目を通した時、「…あなたがその恨みを手放さぬ限り…」という言葉になってしまうのが、なんとも哀しいです。


「マジョモリ」理論社(2004年4月読了)★★★★★お気に入り

ある朝、つばきの机の上に置かれていたのは、「まじょもりへ ごしょうたい」という手紙。薄い水色の折り紙に書かれたその手紙を読んでいると、空色の不思議な植物のつるの先が窓ガラスをコンコンと叩き、つばきを誘います。つばきは手紙を持って家を飛び出し、空色のつるに導かれるようにしてまじょもりへと入っていくことに。

「ペンキや」「蟹塚縁起」に続く、梨木香歩さんのカラフル文学館の絵本。
ある日突然「まじょもりへ ごしょうたい」だなんて手紙が来たら、どれほどわくわくしてしまうことでしょう。日常のほんの少し先にある異空間。そこで開かれるティーパーティ。その主役は、どこか「丹生都比売」を彷彿とさせる不思議な存在のハナさん、ちょっぴり意地悪だけど優しいふたばちゃん、そしてつばき。
ティーパーティでは御神饌に生クリームを塗ったお菓子が用意され、ヨモギやノギク、カキやサクラといった花や葉っぱのお茶、そして笹酒がふるまわれます。この笹酒は、「固く巻いた笹の葉の芽が、初めてくるくるほどけたところに溜まった朝露を集めたもの」。読んでいるだけでもその清冽な薫りが感じられてきそうですね。飲んでみたくなってしまいます。
久しぶりにハナさんに会えて喜ぶふたばちゃんと、初めてのハナさんに戸惑いながらも惹かれるつばき。おそらくつばきもまた、ハナさんからの招待状がまた届くのを心待ちにすることになるのでしょうね。そしてつばきのお母さんと同じような反応をすることになるのでしょう。この反応がまた可愛いのです。
早川司寿乃さんの、柔らかな緑色を基調にした挿絵もとても素敵です。

「ヨモギのお茶は野原の味が、ノギクのお茶は夕暮れの味が、カキのお茶は日なたの味が、サクラのお茶は森の味がしました。」

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