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このページは、茂市久美子さんの本の感想のページです。

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「つるばら村の理容師さん」講談社(2008年2月読了)★★★★

つるばら村にある「つるばら理容店」は、山野このはさんという、もうすぐ60歳になるおばさんが1人でやっているお店。
【まほうのショール】…若葉の香りがかぐわしい5月。夜9時頃このはさんのお店にやって来たのは、りっぱな角を生やした真っ白なヤギ。遥か彼方の高原からやって来たというヤギ。世界旅行中だというのです。
【ふしぎなくつ】…梅雨入り間近の初夏のある日。近所のあちこちで靴が盗まれたという話が噂になります。そしてこのはさんの店にやって来たのは、ぼさぼさ頭に無精ひげの見慣れない若者でした。
【砥石】…夏の午前中、このはさんのお店にやって来たのは見知らぬおじさん。旅をしながら研ぎ師をしているけれど場所がまだ決まっていないと聞いたこのはさんは、庭の作業場を貸すことに。
【山んばの錦】…ひと月に一度、村のお年寄りの施設に出かけるこのはさん。その帰り道に機織りの音が聞こえてきて、このはさんは音を頼りに山の中の小さな家にたどり着きます。
【風力発電】…雪がちらちらと舞い始めた頃。モグラよけの風車を物置に仕舞った晩、もぐすけというもぐらがやって来ます。もうしばらく風車を立てておいて欲しいというのです。
【ネズミのお礼】…12月29日。年末の大掃除をしていたこのはさんは、指輪がないのに気づきます。廊下を雑巾がけする時にエプロンのポケットに入れたはずなのですが、ポケットにも廊下にもありません。
【夢】…桃の節句が過ぎた頃。朝一番で店にかけこんで来たのは、不思議な女の人でした。魔女のような格好で、くすんだ緑色の髪の毛はほうきのように逆立っているのです。

つるばら村シリーズの6作目。今回は「つるばら理容店」のこのはさんが主人公です。不思議がいっぱいのつるばら村のことなので、理容店にやって来るのはもちろん人間だけではなく、動物や不思議な存在もいっぱい。
「砥石」ではナオシさん、「ネズミのお礼」では三日月屋のくるみさんが、「夢」では青木家具店の美樹さんが登場。やはり知っている面々が登場するのは楽しいですね。もっと繋がりがあれば、もっと村の輪郭がくっきりと鮮やかになるでしょうに、と少し惜しくなってしまいます。

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