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このページは、加納朋子さんの本の感想のページです。

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「コッペリア」講談社(2003年9月読了)★★★★★お気に入り

アングラの劇団の看板女優・聖。彼女が所属する劇団の秋公演は、座長の安藤零のオリジナル作品「コッペリア、またはエナメルの眼をした娘」。聖はヒロインの人形の役を演じることになっていました。その日の稽古を終えて区民センターの3階からエレベーターで降りてきた聖は、エレベーターを待っていた1人の青年と鉢合わせしそうになります。ひどく驚いた顔で聖の顔をまじまじと見つめた青年が発した言葉は、「まゆら?」の一言。人違いだと傍らをすり抜ける聖ですが、その後訪ねた伯母の家で、再び「まゆら」の名前を見ることに。それは人形作家の如月まゆら。カルト的な人気のある人形作家でした。展示会の案内葉書の写真の人形の独特の迫力に、聖は翌日会場に出かけてみることに。しかしその会場には、なんと自分そっくりの顔をした人形が展示されていたのです。一方、聖に話しかけた青年・了は、高校時代から如月まゆらの人形に魅せられていました。彼が一目見て魅せられた「最高傑作」が、聖そっくりのその人形だったのです。

加納朋子さんの初の長編作品。
人形を愛する青年・了と、如月まゆらの作り出した人形そっくりの女優・聖。この2人の視点から、物語は交互に語られていきます。聖の「ごっこ遊び」や聖の伯母の人形への振る舞い、人間よりも人形を愛している了や創也の存在、そしてお芝居という非現実空間など、現実から逃避し続けているような不安定な感じが、如月まゆらの作り出す人形の世界にとてもよく合っていて、一種独特な世界を作り出していますね。この如月まゆらの作り出す人形は、天野可淡氏の人形を彷彿とさせます。まるでKATAN DOLLのような、妖しく物憂げな、そしてねっとりとした狂気…。まゆら人形も一度目が合ってしまうと、二度と目を逸らすことのできない吸引力を持っているようで、一度読み始めると途中でやめることが出来ませんでした。しかしこういう作品もいいですね。いつもの加納さんのほのぼのとした雰囲気もとても魅力的ですが、そこに垣間見えていた毒が、ここにきて大きく花咲いたようで、なんだか素直に嬉しいです。ラストに加納さんらしさが見えるのがまた嬉しいところ。
ちなみに「コッペリア」とは、バレエの題目の1つ。コッペリウス博士の作った人形・コッペリアを巡る、フランツとその恋人・スワニルダの三角関係の物語です。人形のコッペリアに踊らされた3人のように、まるで聖も了も創也も、如月まゆらの作る人形の手の平の上で踊らされていたかのようです。そして如月まゆら自身も、また…。


「レインレイン・ボウ」集英社(2004年1月読了)★★★★

【サマー・オレンジ・ピール】…高校時代の初恋の相手・文也と結婚した渡部見久の元に、片桐陶子からの電話が。高校時代ソフトボール部で一緒だったチーズこと牧知寿子が死んだというのです。
【スカーレット・ルージュ】…出版社に勤める小原陽子は、作家の嶽小原遥と待ち合わせ。陽子はなぜか初対面の嶽小原に、牧知寿子と、彼女と仲の良かった長瀬里穂のことを詳しく話してしまいます。
【ひよこ色の天使】…ひよこ保育園の保育士をしている善福佳寿美は、ある日、園児のヒロくんを家まで送り届けることに。その頃、ヒロくんの一番の仲良し・安寿ちゃんが行方不明になっていました。
【緑の森の夜鳴き鳥】…外科と内科の混合病棟の看護婦の井上緑。深夜、入院患者の1人が亡くなり、屋上の給水塔のところで涙ぐんでいるところを、入院患者の美沢彰に見られてしまいます。
【紫の雲路】…姉の結婚式に出席した坂田りえは、2次会で妙な男に出会います。村崎一と名乗ったその男は、どうやら正規の招待客ではないらしく、新郎の仕事先の人間に妙に拘っていました。
【雨上がりの藍の色】…ミヨシフーズの新入社員・三好由美子は、明知商事の社員食堂へと派遣されることに。ここには会長の縁故と噂される「サンババ」がおり、代々の担当者に恐れられていました。
【青い空と小鳥】…長瀬里穂が失踪。里穂の母親から電話をもらった片桐陶子は、ソフトボール部の面々に電話します。しかし、死んだはずの牧知寿子を見たような気がするという話が飛び出して…。

「月曜日の水玉模様」に登場する片桐陶子の登場する連作短編集。しかし「月曜日の水玉模様」とは直接的な繋がりはなく、こちらは高校時代のソフトボール部の面々が中心となっています。高校を卒業して7年目の25歳。丁度仕事でも脂が乗ってきて、新入社員から中堅社員となる頃。仕事中心の忙しい生活に、高校時代の友人が疎遠になる頃でもあります。専業主婦、編集者、保母、看護婦、プー太郎、栄養士、OLと、進んだ道はそれぞれに違っていても、高校時代とは見違えるほど綺麗に垢抜けていたとしても、その中身にあるのは変わらない旧友の姿。この彼女たち1人1人がそれぞれにとても魅力的。爽やかな青春ドラマですね。7色の虹の短編、7人の登場人物はそれぞれに魅力的なのですが、その中でも私が特に好きだったのは、「スカーレット・ルージュ」と「雨上がりの藍の色」。話はもちろんですが、他人にも自分にも厳しい陽子と、宇宙人みたいに何を考えているか分からないからと「ミュータン」などというあだ名をつけられてしまう由美子の2人のキャラクターがとても好きです。
実は「月曜日の水玉模様」は、読んでいる時は十分面白かったものの、読み終えてみるとどこか印象が薄い作品だったのです。今回もそういうイメージなのではないかと密かに危惧していたのですが、この作品はそのようなこともなく、とても良かったです。逆に「青い空の小鳥」を読んだ今、「月曜日の水玉模様」を読み返したら、もっと陶子に近づけるかもしれません。

P.259「自分で思っている自分が、必ずしも本当の姿に近いってことはないですよ」


「スペース」東京創元社(2004年8月読了)★★★★

【スペース】…母に頼まれて、年末の買い物に出た駒子は、駅前のデパートでアルバイトをしていた瀬尾さんに出会います。そして駒子は瀬尾さんに、16通もの手紙を送りつけることに。
【バック・スペース】…はるちゃんと離れて1人暮らしを始めた「わたし」は、同じアパートの新入生4人で炊事当番をすることに。そしてある日、料理をしている時に隣の曙寮の声に気付き…。

「ななつのこ」「魔法飛行」に続く、駒子シリーズ第3弾。「魔法飛行」から10年以上たっての出版ですが、作中での時間の流れは、「魔法飛行」の数日後。もちろん駒子も女子大生のままです。
「スペース」の1章で駒子と瀬尾さんが出会うものの、続く2章では、「はるちゃん」宛ての手紙の文面が並んでいるばかり。とても加納さんらしい雰囲気ですし、手紙の中に駒子が瀬尾さんに解いてもらおうと思った謎が隠されているのは明らかなものの、何も分からないまま読むのは少々大変でした。しかし「ななつのこ」「魔法飛行」の時期の話も入っていますし、それにまつわる、ちょっとしたエピソードが面白かったです。そして3章でこの手紙のことが分かってみると、目からウロコ。さらに「バック・スペース」は、「スペース」での出来事を、他の視点から描いていった物語。とてもロマンティックな恋物語となっています。あの手紙の裏にはこんな出来事があったのか、こんな思いがあったのかと、これまた目の前が広がるような思いがしました。タイトルの「スペース」は、この作品にぴったりですね。ただ、瀬尾さんにぶつける謎としてのこの出来事への駒子の関わり方、その気持ちは良く分かるのですが、逆に駒子にはやって欲しくなかったという思いもあります。それでも、そうせずにはいられなかった駒子の心中を思うと、とても切ないのですが…。
この「スペース」という作品は、「ななつのこ」「魔法飛行」と、通常のシリーズ物以上に密接に繋がり合っています。前2作を読んでから時間が経っている方は、一度読み返された方が断然楽しめるのではないかと思います。という私自身、前作を読んだのは4年以上前。駒子の交友関係などはすっかり忘れていたので、再読してから読んで本当に良かったです。


「てるてるあした」幻冬舎(2005年6月読了)★★★★

【春の嵐】…無事に第一志望の高校にも合格し前途洋洋だった雨宮照代。しかし母に任せていた入学金は未納のまま。両親は多重債務に陥っていたのです。夜逃げをせざるを得なくなった照代は、佐々良に住むという母方の遠い親戚・鈴木久代の家に行くことに。
【壊れた時計】…久代の家に寝起きすることになった照代。バイト代わりにさやとエリカの買い物に付き合うことになった照代は、駅で佐々良高校の山田偉子のノートを拾います。
【幽霊とガラスのリンゴ】…アルバイトをしようにも、15歳という年齢と身元保証がないせいで立て続けに断られてしまう照代。そんな時、家の中で見たのは、1人の女の子の幽霊でした。
【ゾンビ自転車に乗って】…久代に市場でのアルバイトの口を紹介され、照代は貰い物のおんぼろ自転車で通い始めます。そんなある朝見た夢は、幽霊の女の子が登場する夢でした。
【ぺったんゴリラ】…久代が入院。家に1人でいた照代を珠子が訪ねます。しかし知らないうちに久代の私物が入っている棚があらされていたのです。
【花が咲いたら】…あゆかの妹、2歳になったばかりのほのかが入院し、母親もつききりになることに。照代は幼稚園にあゆかとダイヤを迎えに行き夕方まで預かるというバイトを始めます。
【実りと終わりの季節】…突然倒れた久代は再度入院することに。

「ささらさや」の姉妹編。
佐々良という小さな街が舞台で、登場人物は「ささらさや」と共通していますが、こちらの主人公は照代という15歳の女の子。浪費家の両親のせいで借金取りに追われることになり、両親と別れて会ったこともない遠縁の親戚を訪ねて1人で佐々良へ来るところから物語は始まります。
「ささらさや」と同じように、こちらの作品でも不思議なことが起こります。今回最初に起きる不思議な出来事は、照代の携帯に入る差出人不明の短いメッセージ。しかし今回の不思議な出来事は前回のように物語を左右すようなものとはまた少し違い、言わばスパイス程度。それでもこういった不思議の存在のおかげで、重くなりすぎずに読めたような気がします。
照代は思春期真っ盛りで、自分の頭の良さを少し鼻にかけている生意気な女の子。ひねくれた可愛げのない言動を繰り返します。それにはそれ相応の理由があるから。彼女の尖った部分が彼女の寂しさや哀しさをそのまま表しているようで切なかったです。どこにもぶつけようのない怒りが、彼女にそのような言動を取らせているのですね。しかも佐々良に来てから、最後に残っていた大切なものまで次々に壊れていってしまうのです。しかしそんな彼女も、佐々良で様々な人間に会ううちに少しずつ柔らかくほぐれていきます。ありがちといえばありがちな展開ですが、やはりその辺りがとても良かったです。電気屋の松ちゃんの小さな親切なども、自分のことのように嬉しくなってしまいますね。
読んでいて一番印象に残ったのは、あゆかが母親に怒られた時のエピソード。確かに子供を産んだというだけで世の中の母親が皆聖母マリアになれるわけがないのですが、それでも母親に対する周囲の目は確実に変化しますし、聖母マリアであることを求めてしまいます。子供を産んだからといって、その人間自身が大きく変わるわけでもないのに。だからといって子供の心に五寸釘を打ち込んで許されるわけではないですし、聖母マリアになれるようになるまで出産しないというわけにもいかないのですが…。親も子供もそれぞれに一生懸命。親だって余裕のない中で頑張っているのです。それをいつか子供たちが理解してあげられたらいいですね。本当は、あそこまでの仕打ちを受けた照代がもう一度母親のことを許せるのかという疑問は残ったのですが、それはやはり久代の存在がそれだけ大きかったし、親子の絆が確実にあったのでしょうね。良かったです。


「ななつのこものがたり」東京創元社(2005年10月読了)★★★★

おかあさんが息子の「はやて」の寝る前に語った、昔ある田舎の村に住んでいた「はやて」という男の子にまつわる、7つの物語。「はやて」が偶然出会った、あやめ色のカーディガンを着ていたきれいな女の人「あやめさん」に、身の回りで起きた不思議な出来事を話すと、あやめさんは熱心にはやての話を聞き、その謎をさらりと解いてくれるのです。

加納朋子さんのデビュー作「ななつのこ」の作中作が、とうとう本物の絵本になりました。挿画は、「ななつのこ」の文庫など加納朋子さんの作品でお馴染みの菊池健さん。
「ななつのこ」を読んだ時に私が一番惹かれたのはあやめさんなので、この絵本が本当に読めてとても嬉しいです。おかあさんが息子に語る物語、という形式には驚きましたし、正直意外でしたが、よくよく読んでみると、これは「ななつのこ」シリーズの読者には嬉しい仕掛けがしてあったのですね。ネタバレ→このお母さんは、未来の駒子ですよね?← 7つの物語を読むにつれて、「ななつのこ」のそれぞれの物語が鮮やかに蘇ってきて懐かしかったです。ただ、正直なところは、ネタバレ→やはり「佐伯綾乃」の書いた「ななつのこ」が読みたかった、と思ってしまいましたが…。
挿画もほんわりと優しく、物語の雰囲気にぴったり。それぞれの場面は「昭和」の懐かしい雰囲気を思い起こさせてくれますし、話を聞いているはやての子供部屋も、いかにも居心地が良さそう。これはどちらが欠けても成り立たない絵本でしょう。挿絵というより、コラボレーションという言葉がぴったりですね。

収録作:「すいかおばけ」「金色のねずみ」「空の青」「水色のチョウ」「竹やぶ焼けた」「ななつのこ」「あした咲く花」


「モノレールねこ-monorail CAT」文藝春秋(2006年12月読了)★★★★★お気に入り

【モノレールねこ】…時々遊びに来ていたデブで不細工なねこが、その日、赤い首輪をしているのを見て、「ぼく」はこっそり首輪の下に短い手紙を書いた紙を押し込みます。
【パズルの中の犬】…夫が帰ってくるまでの間、趣味のパズルをする「私」。その時作っていたのは、フリーマーケットで300円で買った、絵のない真っ白な3000ピースのパズルでした。
【マイ・フーリッシュ・アンクル】…「私」の部活の合宿中、祖父母と両親が香港でホテル火災に巻き込まれて死亡。家に帰った「私」を迎えたのは、ダメでオロカで頼りない叔父さんでした。
【シンデレラのお城】…周囲から結婚しろとしつこくせっつかれて、偽装結婚をすることにした「ミノ」さんと「私」。順調な新婚生活。しかしそこには幽霊の「瑞樹」もいたのです。
【セイムタイム・ネクストイヤー】…30代の終わりにようやく授かった子供を5年で亡くし悲嘆に暮れる「私」は、去年の七五三のお祝いの日に泊まったホテルに1人で出かけます。
【ちょうちょう】…叔父のラーメン屋の2号店の店長となった「俺」。最初は連日長蛇の列が出来るほどの繁盛ぶり。しかしチンピラ風の客とトラブルを起こしてから客足がばったり途絶えます。
【ポトスの樹】…母との馴れ初めはもちろん、「俺」が生まれたその日も生まれてからも、ずっとロクデナシのクソオヤジであり続けた父親のエピソード。
【バルタン最期の日】…公園の池に住むザリガニの「俺」は、遠足にやって来たフータという少年に釣り上げられて、フータの家に連れて行かれることに。

8編が収められている短編集。とても加納朋子さんらしい作品集でした。菊池健さんの表紙も素敵で、内容によく似合っていますね。ここに収められている8編は、どれも人と人との絆をテーマにした物語。
縁あって親子や友達、恋人、そして夫婦になる人々。それは単なる偶然のめぐり合わせかもしれませんが、深く関わり合うような関係を築くには、やはり何かしら不思議な、偶然以上のものが潜んでいるように思います。住んでいる場所も育った環境もまるで違う男女2人でも、縁さえあれば、知り合って恋に落ち、結婚することもあり得ますし、それとは逆に、似たような場所と環境で育ち、お互いのことを知りながらも、特に深く関わり合うことなくすれ違っていく人々もいます。やはり人間同士が深く関わりあうには、何かの「縁」が必要なのでしょう。そしてその「縁」が人同士を結びつけ、愛情や信頼関係を育てていくのでしょうね。そして時には近すぎるからこそ、なかなか上手くいかないこともありますが、少しずつ築き上げて確立した絆は強いですし、その「縁」さえ本物なら、何十年のブランクがあっても再び巡りあえるもの。ここに収められた作品に登場する絆はそれぞれに違うものですし、短編同士にも全く繋がりはないのですが、共通するのはその暖かさ。私が特に好きだったのは、「シンデレラ城のお城」「ポトスの樹」「バルタン最期の日」。読後にふわっと心が明るくなるような気がします。


「ぐるぐる猿と歌う鳥」講談社ミステリーランド(2007年10月読了)★★★★

父の転勤で、北九州に引っ越すことになった小学校5年生の高見森(シン)。新居は相変わらずの社宅でも、以前の団地よりもずっと広く庭もある家でした。引越ししたその夜、目が冴えて寝付かれずにいるとかすかな口笛の音が聞こえ、森が部屋をそっと抜け出して外へ出てみると、そこにいたのはココちゃんこと隣の家の佐久間心(シン)と、パックという少年。森は早速パックと一緒に屋根に上り始めます。そして翌日の朝。東京では腕白すぎて問題児扱いだった森ですが、同じ登校班の面々にすんなりと受け入れられて一安心。しかし一緒に学校に通うとばかり思っていたパックの姿が、いつの間にか消えていたのです。

講談社ミステリーランドの第13回配本。
大人から見れば単なる乱暴者の森ですが、実はとても素直な少年。話の合いそうな転校生の少年と友達になりたいと思った時もおばあさんのアドバイス通りにしていますし、その後の行動からも実は繊細なところを持っていることが分かります。しかしそういったところは実の親ですら知らない部分。それまで森の周囲にいた先生や子供たちもまるで気づいていません。周囲の森に対留守評価は、単なる「乱暴者」。地方によって子供に違いがあるなどとは書きたくありませんし、単に気づく機会がなかっただけなのかもしれませんが、やはり東京の子供たちは普段大人びている分、大人の色眼鏡ごしに物事を見てしまいがちなのかもしれない、と思ってしまいます。それに対して、北九州で出会った子供たちの可愛らしさがいいですね。東京にいた時の森も北九州にいる森も同じ森で、その中身はまるで変わらないはずなのに、北九州の子供たちはすぐにその本質を見抜いているよう。やはり出会いというのもあるのでしょう。北九州弁もとても可愛らしくて親しみやすくて良かったです。
ちょっとした日常の謎と冒険の物語は、児童書にぴったりのワクワク感。謎よりも冒険譚の方が前面に来ていると思いますが、社宅という条件が生かされているのが良かったですし、夢がありながら、ほろ苦い現実もきちんと描かれているところも良かったです。最後には爽やかな印象が残る作品でした。

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