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このページは、藤田雅矢さんの本の感想のページです。

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「ひみつの植物」WAVE出版(2006年6月読了)★★★★★
表紙の写真は、緑色の硝子細工のようなオブツーサ。南アフリカの砂漠地帯が原産の多肉植物で、日本でも「万象」「玉扇」「臥牛」「富士子宝」といった名前でかなり昔から育てられてきたアロエ科の植物の一種なのだそう。それ以外にも、水も土も無しで根も葉もないのに花の咲くコルチカム、砂漠の宝石、もしくは石ころのようで、日本でも「日輪玉」「紫勲」「李夫人」「巴里玉」「琥珀玉」といった名前で育てられてきたイシコロマツバギクことリトープス、桃色たんぽぽ、赤いヒマワリ、翡翠色のヒスイカズラなど一風変わった植物が、「贈りたいもの」「変わりもの」「色変わりの異端児」「食べられます」「偏愛的植物」「文学のかをり」「ザ・インパクト」「野の花」「花壇自慢」「エキゾチック」という10章に分けて紹介されています。巻末には珍しい植物を楽しめる植物園のデータも。

育ててみたい人のために、お取り寄せできるお店のデータや育て方のポイントが付いているのが嬉しいところ。インターネットを通じて購入できる店も多く、本当にインターネットは便利ですね。そういった珍しい植物を栽培している植物園や、インターネット上のサイトのデータもあります。黄色いオシロイバナはうちにもありますし、私自身園芸店で見かけたことのある品種も多かったので、題名ほど「ひみつの植物」という感じはなかったのですが、写真もとても綺麗ですし、著者の藤田さんが子供の頃に好きでよく眺めていたという学研の植物図鑑は私も大好きだったので、気持ちが伝わってくるようで、とても楽しめました。
そして本好きにとって嬉しいのは、「糞袋」でファンタジーノベル大賞を受賞してデビューした作家さんらしく、本の話題もあること。6章の「文学のかをり」では、チューリップ、ハエトリグサ、薔薇、モートンベイ・チェスナッツといった植物と共にそれにまつわる文学作品が紹介されていますし、「植物SF文学」という題のコラムでも藤田さんのお気に入りの本+αが紹介されています。文学作品の中に登場する植物を楽しむのは、自分で育てるのとはまた一味違う楽しさですよね。
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