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このページは、ウェイランド・ドルーの本の感想のページです。

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「ウィロー」ハヤカワ文庫FT(2007年5月読了)★★

ノクマアル城に君臨する悪の女王バヴモルダが恐れているのは、身体に特別な<しるし>を持つ赤ん坊の誕生。バヴモルダの仇敵・フィン・ラジエルがその子供によってバヴモルダが破滅するという予言をしていたのです。バヴモルダは将軍ケイルに命じて辺り一帯の妊娠六ヶ月以上の女を全てとらえてノクマアル城の出産室で出産させ、バヴモルダの娘・ソーシャに<しるし>がついた赤ん坊がいないかどうか調べさせていました。そしてその日、<しるし>がついた赤ん坊が生まれたのです。助産婦のエスナは赤ん坊を連れて逃げ、追っ手が来る前に川から小舟に乗せて逃がします。その赤ん坊が流れ着いたのは、ネルウィン村。ラノンとミムズという2人の子供が赤ん坊を見つけて家に連れて帰ります。そしてネルウィンの祭りに現れた高貴オールドウィンは、ウィロー・ウフグッドに赤ん坊を連れてダイキニ辻へと連れて行き、そこで最初に出会ったダイキニに赤ん坊を渡すように指示します。ウィローは仲間と共に早速出立することに。(「WILLOW」黒丸尚訳)

ジョージ・ルーカス原案、ボブ・ドルマン脚本の映画「ウィロー」のノベライゼーション。映画は観ていないのですが、脚本には明らかにされていない、しかしジョージ・ルーカスの頭の中には存在していた物語の背景が、この小説の中には書き込まれているのだそうです。
映画をそのまま小説にすると、背景描写などがあまりないためにすかすかした印象を受けるものですが、おそらくウェイランド・ドルーはかなりの部分を作り出したのでしょうね。そういったノベライゼーションに付き物の違和感はあまりありません。しかし物語が善と悪の対決という単純なものですし、エローラ・ダナンが終始赤ん坊のせいか、本当に光の側の女王としての資質があるのかどうか、今ひとつ説得力がありませんでした。皆に愛される、人間だけでなく動物も彼女に助けの手を差し伸べる、というのも大きな資質かもしれませんが…。ウィローは「指輪物語」のホビットのように小さな人々の1人で、ダイキニというのが普通の人間のようなのですが、小さな人を登場させる意味もあまり感じられませんでした。

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