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このページは、ヒルデブラント兄弟&J.ニコルズの本の感想のページです。

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「妖精王の冠」ハヤカワ文庫FT(2006年12月読了)★★
ウルシュラクのヴァンドールのボルガド連山の高みに住んでいたヒュー・オクスハインは、狩りから帰ってきた時、妻のマリアと2人の子供が無残な姿で殺されているのを見て大きなショックを受けます。それは人とも獣ともつかない生き物6組の仕業。3人を埋葬し、家を捨てて足跡をつけ始めたヒューは、数日後、森の中でその生き物に遭遇します。それは人間には似ていても、はるかに巨大な野獣でした。その野獣は2人の小人と痩せた若者に襲い掛かっており、ヒューは若者が絶体絶命の状態にあるのを見て、若者を助けようと野獣に襲い掛かります。若者が命を取り止め、野獣をけしかけたのが魔女ゴルタの仕業と知ったヒューは、若者たちの一行に加わって、魔女を討ちに行くことに。襲われていた若者は白妖精族のクラウンヘルムの後継者で、死の帝王トルゴンを倒せるただ1人の者だと予言に言われている王子エイルワンだったのです。(「URSHURAK」汀一弘訳)

トールキンのカレンダーやスターウォーズのポスターなどで爆発的な人気を博したという、アメリカの双子のイラストレーターの初の小説作品。作品自体はデイヴィッド・エディングスのベルガリアード物語のような雰囲気なのですが、登場人物の説明が足りないのか、それとも似たような存在が多いのか、それぞれの区別がつきにくく、個性が掴みきれないまま終わってしまいました。2人がこの物語を書くために描いたラフ・スケッチが優に千枚を越えたとのことなのですが、その割に物語のイメージ喚起力が弱いような気がします。読んでいてもあまり情景が思い浮かんできませんでした。
魔女ゴルタの最期があっけなかったこと、その割に味方が何人もあっけなく死んでいってしまうこと、予言が今ひとつ機能していないことなども、感情移入できなかった一因かもしれません。
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