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このページは、ロバート・A・ハインラインの本の感想のページです。

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「夏への扉」ハヤカワSF文庫(2000年1月読了)★★★★★お気に入り
主人公のダニエルは恋人と親友に裏切られ、会社を追われ、発明品までも取り上げられ、失意のどん底の中で30年の冷凍睡眠につく決心をします。しかしその冷凍睡眠までも、元恋人と元親友にの邪魔によって予定通りにはいかず…。(「THE DOOR INTO SUMMER」福島正実訳)

これは素敵な話ですね。設定はいわゆるタイムトラベル物。私はSFについてあまり詳しくないので知らなかったのですが、ハインラインは、20世紀を代表する3大SF作家の1人なのだそうです。アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラーク、そしてハインライン。確かに読んでみて納得です。1957年に発表された作品なのだそうですが、全く古さを感じさせません。実際の未来となった現実とは多少ずれているのですが、そこに違和感を感じるどころか、ハインラインが持っていた未来観というのもとても興味深く読めました。人物もそれぞれ魅力的ですし、なんといっても読後感がとても爽やか。物事がうまくいかなくて落ち込んだ時などに読むと元気づけてくれそうな、何度でも読み返したくなるような作品です。
特に素敵なのは、猫のピートが冬になるときまって夏への扉を探し始めるというくだりです。
「彼は、その人間用のドアの、少なくともどれか一つが、夏に通じていると信じているのだ。」(P.8) 夏への扉を探す… なんて素敵なフレーズなのでしょう。この猫のピートが生き生きと描かれていて、本当に可愛いくて、主人公の良きパートナーとなっています。ハインラインは本当に猫が好きなのでしょうね。この話が好きだという人には、ピートのファンだという人も多そうです。
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