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このページは、ジョン・ガードナーの本の感想のページです。

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「光のかけら」ハヤカワ文庫FT(2006年9月読了)★★★
イギリスにも、元祖ジェイムズ・ボンドシリーズ作家のイアン・フレミングから引き継いで、2代目のボンド作家となったジョン・ガードナーという作家がいるのですが(ちなみに3代目はレイモンド・ベンスン)、このジョン・ガードナーは別人。アメリカの作家です。これは「ドラゴン、ドラゴン」「いばら娘ガジェキン」「ハチドリの王さま」という3冊の子供向けの絵本を1冊にまとめて全訳したもの。(「DRAGON, DRAGON  GUDGEKIN, THE THISTLE GIRL, THE KING OF THE HUMMINGBIRDS」八木田宣子訳)

訳者あとがきに、大人が読んでも充分楽しめる作品だとありましたが、確かにそうかもしれないですね。一見、「むかしむかしあるところに」で始まる昔ながらの童話に見えますし、実際どこかで目にしたようなモチーフが多いのですが、実は一捻り加えられている作品ばかり。ナンセンスとユーモアたっぷりです。この中で私が気に入ったのは、いやらしい年より魔女が教会の礼拝で改心してしまう「魔女の願いごと」や、まるで「イワンのばか」のような「ハチドリの王さま」、2人組の悪者が世界中の光を盗んでしまう表題作「光のかけら」、エルフたちがナシの木を露にして薔薇の花の中に隠してしまうという「ナシの木」。しかし説明不足を感じる部分も多く、たとえば「ナシの木」でも、エルフがなぜいきなりナシの木を隠そうとするのかということが分かるのは、物語も後半になってから。それでも全体的に面白かったです。…ただ、同じような童話が続くので、後半は少し飽きてしまいましたが…。

収録作:「ドラゴン、ドラゴン」「小鬼とドラゴン」「魔女の願いごと」「ハチドリの王さま」「仕立て屋と大男」「光のかけら」「ナシの木」「粉屋のラバ」「グリフィンと賢い老哲学者」「ショルムの変身野郎」「海のカモメ」「いばら娘のガジェキン」
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