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このページは、コーリイ・フォードの本の感想のページです。

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「わたしを見かけませんでしたか?」ハヤカワepi文庫(2004年6月読了)★★★
あまりの出来の良さから盗作が相次いだという「あなたの年齢当てます」から、「わたしを見かけませんでしたか?」「話し手の言い分」「聞き手の言い分」「ヒモをためてますか?」など全19編のユーモアエッセイが収められています。(「HAS ANYBODY SEEN ME LATELY?」浅倉久志訳)

全部読み終えてみると、やはり「あなたの年齢当てます」が一番面白いですね。この1編だけはずば抜けた出来のように思えます。真面目くさった文章の中には、実に皮肉っぽいユーモアがたっぷり。淡々とした文章で書かれているところが、また非常に効いていて可笑しいのです。味のあるイラストも好感度アップ。こういったユーモアセンスは英国風のようにも思えたのですが、どうやらコリン・フォードはアメリカの人のようです。
他の章もそれぞれに悪くはないのですが、「あなたの年齢当てます」に比べると随分落ちるように感じられてしまいました。それはもしかしたら、読み手である私が中年男性ではないというのが大きな原因となっていたかもしれません。基本的にどれも世の中の奥さん連中に題材をとった「全く女ってやつは…」という流れなので、読み手が女性だと、共感度がどうしても低くなってしまいます。ただ、それを抜きにしても、他の文章のユーモアは、「あなたの年齢当てます」ほど突き抜けていないようにも思えました。犬が人間を飼って躾ける「愛人マニュアル」にしても、同じように猫が人間を躾けるポール・ギャリコの「猫語の教科書」の方が、遥かに上だったように思いますし…。しかし最終章「またの名、ジョン・リデル(パロディ集)」の「3 あなたの推理は?」の中で披露される探偵ゲームは面白かったです。それぞれの探偵ゲームには読者への挑戦と解答編が用意されてるのですが、これが首を切り取られた死体を前に、警察側が自殺説を主張するような問題編。なので、解答編の馬鹿馬鹿しさったらなかったです。
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