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このページは、ナンシー・A・コリンズの本の感想のページです。

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「ミッドナイト・ブルー」ハヤカワ文庫FT(2004年12月読了)★★
かつてプロ・フットボーラーを目指していたクロード・ハガティは、現在は精神病院の危険病棟の夜間警備員。しかし半年前まではとても楽だったこの仕事も、今では非常にきついものと化していました。それは現在7号室の「ブルー、S」という名前の女性患者が収監されてから。クロードは、危険病棟の他の患者たちの悪夢は全て彼女のせいだと確信していたのです。しかし彼女は実は、富豪の1人娘・デニーズ・ソーンとしての幸せな過去を失い、圧倒的な力を持って蘇った女吸血鬼だったのです。現在の名前はソーニャ・ブルー。(「MIDNIGHT BLUE」幹遥子訳)

女吸血鬼ソーニャ・ブルーの活躍を描く3部作の1作目。英国幻想文学賞、ブラム・ストーカー賞受賞作品です。「ゴースト・トラップ」「フォーリング・エンジェル」、そして外伝の「ブラック・ローズ」があるとのこと。
この現実の世界と平行して「真世界」が存在し、吸血鬼や人狼、夢魔、死霊、食屍鬼などが平凡な外見に隠れることによって「偽装」して闊歩しているという設定です。ソーニャ自身はなかなか魅力的ですし、(表紙のイラストがイメージにぴったりですね) 物語の設定自体は面白いと思うのですが、プロローグから第1章「危険病棟」で感じた圧倒的なパワーとスピードが、第2章「復活のブルース」以降、急速に失速してしまったように感じられてしまったのが残念。チェーザレ・ボルジアなども登場し、好きな人には堪らない展開なのだろうとは思うのですが、私はあまり楽しめませんでした。菊池秀行さんの作品が好きな人にはいいかもしれませんね。なかなかのエログロぶりです。
日本での場面も少しだけあるのですが、その勘違いぶりが痛々しかったです。
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