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このページは、クリス・クリーヴの本の感想のページです。

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「息子を奪ったあなたへ」ハヤカワepi文庫(2008年11月読了)★★★★

爆弾テロで夫と一人息子を亡くした女性が書く、オサマ・ビン=ラディンへの手紙。夫は警察の、夜昼構わず出動要請がかかる爆発物処理班の配属。いつ爆死してもおかしくない状況に、夫婦どちらもひどいストレスが溜まっていました。夫は生活費を使い込んでのギャンブルがやめられず、妻は誰かに身を任せないではいられない状態。爆弾テロは、夫がようやく警察を辞めると言い出してくれた矢先の出来事でした。夫は息子を連れてサッカーを観戦に行っており、まさにそのサッカー場で爆弾が爆発したのです。(「INCENDIARY」匝槎玲子訳)

ニューヨーク・タイムズやニューズウィークで絶賛され、アメリカでは優れたフィクション第一作に贈られるファースト・フィクション賞を受賞、本国イギリス でも35歳以下の有望なイギリス人作家に贈られるサマセット・モーム賞を受賞、フランスではフランス読者賞特別審査員賞を受賞という作品。確かにそれに相応しく、とても良い作品。とても心の深いところまで届くのが感じられます。しかしとても良かったのですが、その反面、読む前に薄々予想していた通り読むのが非常につらかったです。夫と息子を失った女性が時間とともに癒されるという話ではありません。もうやるせなくて堪らなくなります。
しかし、てっきり女性が書いた作品なのだと思い込んで読んでいたのですが、この作者のクリス・クリーヴは男性だったのですね。驚きました。

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