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このページは、いぬいとみこさんの本の感想のページです。

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「ながいながいペンギンの話」岩波少年文庫(2005年6月読了)★★★★
【第一のおはなし(くしゃみのルルと さむがりやのキキ)】…夏のはじめ、南極の島で「くしゃみくん」のルルと「さむがりやのちびくん」のキキが生まれます。
【第二のおはなし(ルルとキキの うみのぼうけん)】…家を抜け出して氷の浮島に乗ったルルとキキ。しかし2匹の乗った氷の浮島は、寝ている間に遥か沖へ流されてしまっていたのです。
【第三のおはなし(さようなら さようなら にんげんさん!)】…水もぐりの稽古をさぼっていたルルですが、トウゾクカモメが襲ってくるのを見てペンギンたちに知らせに走ります。

日本人作家の書いた児童書ということで、あまりに有名な1冊。しかし私にとっては、「長い長いお医者さんの話」が大好きだったので、このタイトルが二番煎じのように感じられてしまい、子供の頃にはどうしても手に取れなかった作品でもあります。冒険好きの兄・ルルと、大人しくて優しい弟のルルという2匹のペンギンたちの物語。ルルとキキの1年間の成長物語と言うこともできそうです。2匹の性格もしっかりと書き分けられていますし、大きな冒険をいくつも他見したルルがすっかり慢心してしまい、水もぐりの稽古をさぼるようになってしまう… という展開も良いですね。この一見易しくて楽しい物語の中に、実は結構深いものが隠されているようです。しかしそれでいて、まるで説教臭くないのです。子供の頃に読めば楽しい冒険小説。大人になってから読んでみると、意外と深いものが隠されていた… というのは、児童文学として理想的なのではないでしょうか。しかしやはり子供の頃に読んでおきたい作品。自分で字が読めるようになったばかりの頃の子供たちにぴったりですね。
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