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トルコに関する小説作品や紀行文、エッセイ作品などです
西と東の文化が出会うトルコという土地は、私にとって憧れの地です
まだまだ読みたいので、オススメがあれば教えて下さいね

トルコを舞台とする作品(小説編)■
村田エフェンディ滞土録」梨木香歩 角川文庫

1899年に、トルコ皇帝の招聘で歴史文化研究のためにスタンブールへとやって来た村田。英国婦人の営む下宿屋にドイツ人、ギリシャ人、トルコ人という国も民族も宗教も違う4人が同居し、お互いの価値観の違いに戸惑いながらも静かに友情をはぐくむことになります。最初はそれほどでもなかったのですが、最後の場面はとても感動的でした。私の詳しい感想はコチラ。純和風の物語となりますが、繋がりのある「家守綺譚」も併せてオススメです。

シナン」上下 夢枕獏 中公文庫

オスマントルコ時代の著名な建築家・シナンの一生を描いた物語。カッパドキア地方の小さな村に生まれたシナンは、24歳の時にデヴシルメという少年徴集制度によってイスタンブールへ。そしてオスマントルコの黄金時代を築いたスルタン、スレイマン大帝の下でなんと477もの建築作品を作ることになったという人物。キリスト教徒だったシナンが、信仰と名前を変えてまでデヴシルメに志願したのは、イスタンブールに出て聖(アヤ)ソフィアをその眼で見てみたかったからなのです。私の詳しい感想はコチラ
シナン 上」「シナン 下

空とぶじゅうたん」1・2 新藤悦子・こみねゆら ブッキング

元々砂漠の遊牧民が生み出したという絨毯は、天幕の中に敷くのはもちろん、天幕のドア代わりにも使われ、小麦や塩を入れる袋となり、時には赤ん坊のおくるみとなり、日常の様々な用途に使われ、時には話をつむぎ出す糸口だったといいます。それからトルコやペルシャに広まり、日常の生活に欠かせないものとなった絨毯にまつわる言い伝えを、新藤悦子さんが物語として織り上げ、こみねゆらさんの絵を添えた絵物語集。私の詳しい感想はコチラ
空とぶじゅうたん1」「空とぶじゅうたん2

時をわたるキャラバン」新藤悦子 東京書籍

偶然出会った芳香を放つ絨毯に惹かれてイスタンブルに渡り、13世紀のビザンティン帝国の首都・コンスタンティノポリスにタイムスリップして旅をしてしまうという物語。いささか少女小説的ではありますが、一応大人の読者が対象の作品。古今のトルコの描写や絨毯の話もたっぷりですし、トルコのルーム・セルジューク朝の最盛期を築いたスルタン・ケイクバードの時代を垣間見ることができます。私の詳しい感想はコチラ

青いチューリップ」新藤悦子 講談社

イスタンブールでは幻の花とされている青いチューリップ。オスマンのスルタン・スレイマンやその妃フッレムが欲しがり、エユップのアーデム教授が長年研究を続けている青いチューリップの話を聞いた羊飼いの少年・ネフィが、羊を連れてきている山の上の草原に咲いているチューリップの球根を持って都会へと向かう物語。児童書ですが、トルコに詳しい新藤悦子さんならではの物語と言えそうです。私の詳しい感想はコチラ
青いチューリップ」「青いチューリップ、永遠(とわ)に

コンスタンティノープルの陥落」塩野七生 新潮文庫

地中海戦記3部作。「コンスタンティノープルの陥落」では1453年のマホメット2世の時代、「ロードス島攻防記」は1522年のスレイマン大帝の時代、「レパントの海戦」は1571年のスレイマン大帝の息子セリムの時代を描いており、一貫しているのは、キリスト教の西欧諸国VSイスラム教のオスマントルコの戦いだということ。塩野七生さんの「小説」部分にはあまり魅力を感じないので、どちらかといえばノンフィクション的に読みましたが、それでも十分興味深いです。私の詳しい感想はコチラ
コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦


トルコを舞台とする作品(エッセイ・その他編)■
トルコで私も考えた」1〜4 高橋由佳利 ヤングユ−コミックスワイド版

漫画家の高橋由佳利さんのエッセイ。さすが漫画家さんだけあって、イラストを多用したエッセイがとても楽しい本。観光客としてトルコに訪れ、トルコに魅せられ、トルコに行くうちにとうとうトルコ人の男性と結婚して、トルコに住むことになってしまった高橋由香利さん。その生活の変遷ぶり面白いですし、トルコ人の家庭のあり方というのもとても興味深いです。文化や生活習慣は日本とは全く異なるのですが、なぜか親近感を覚えてしまいます。読むだけで、トルコを旅行したような気分になれるシリーズです。
トルコで私も考えた1」「トルコで私も考えた2」「トルコで私も考えた3」「トルコで私も考えた4

イスタンブール、時はゆるやかに」澁澤幸子 新潮文庫

1981年の最初の訪土以来、すっかりトルコにはまって毎年のようにイスタンブールを訪れていたという澁澤幸子さん。読んでいて一番驚かされたのは、行く先々で友達を作ってしまうこと。同じバックパッカー仲間だけでなく、現地の人々ともすぐに仲良くなり、じきに家族同然の付き合いとなってしまいます。親日家で押し付けがましいほどの親切さを発揮するトルコ人。毎年のようにトルコを訪れているだけあり、その人々の変化も描かれていきます。私の詳しい感想はコチラ

深夜特急」1〜6 沢木耕太郎 新潮文庫

友人との、インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスで行くことができるかという賭けから、沢木耕太郎さんが26歳の時に仕事も何もかも投げ捨てて、1500ドルのトラベラーズチェックと400ドルの現金を持って日本を脱出した旅行記。これの5巻が、「トルコ・ギリシャ・地中海」編。イスタンブールのハナモチ氏が言ってた「チャイの国」の話には、目の前が開けるような思いがしました。1巻は「香港・マカオ」、2巻は「マレー半島・シンガポール」、3巻は「インド・ネパール」、4巻は「シルクロード」、5巻は「トルコ・ギリシャ・地中海」、6巻は「南ヨーロッパ・ロンドン」。私の詳しい感想はコチラ

イスタンブール」陳舜臣 文春文庫

1600年もの間、ビザンティン帝国の首都コンスタンティノープルとして、メフメット2世がビザンティン帝国を攻め滅ぼしてからはオスマントルコ帝国の首都として、そして現在の共和制トルコの首都として、栄え続けてきたイスタンブールを歴史的に概観し解説していく本。題名通り、イスタンブールになってからのエピソードが中心です。メフメット2世やスレイマン大帝を始めとする歴代のスルタンや、共和制トルコを打ち立てたケマル・アタチュルクらに関するエピソードも豊富ですし、基本的な知識が得られます。私の詳しい感想はコチラ

雨天炎天」村上春樹 新潮文庫

ギリシャ編とトルコ編に分かれている旅行記。ギリシャ編ではギリシャ正教の聖地・アトスを訪れ、トルコ編では、パジェロに乗ってトルコの外周をぐるりと一周しています。辺境についての旅行記が読みたい場合はいいかもしれませんが、村上春樹さんはトルコ料理も身体に合わないようですし、なぜトルコ、しかも辺境地帯を選んだのかは謎。かなり体感温度の低い旅行記となっているように思えました。私の詳しい感想はコチラ

エツコとハリメ-二人で織ったトルコ絨毯の物語」新藤悦子 情報センター出版局

男性がいない時のイスラムの女性たちの大らかで人懐こい素顔、魅力的な笑顔に惹かれた新藤さんが、村に長期滞在して彼女たちの日常を知るために、ハリメという女性に教えてもらいながら一緒にトルコ絨毯を織り上げた半年間の記録。絨毯を織る話が中心ですが、トルコの女性たちの日常や習慣、恋愛・結婚事情もとても興味深いです。私の詳しい感想はコチラ

羊飼いの口笛が聴こえる」新藤悦子 朝日新聞社

トルコの村で絨毯を一枚織り上げた新藤悦子さんは、絨毯に取り付かれたかのように絨毯の産地を巡る旅へ。そして気づいたのは、自分が惹かれるのは何年もかけて精緻に織り上げられた高価な絹の絨毯ではなく、遊牧民が織る伸びやかな絵柄のウール絨毯であること。絨毯を通して遊牧民の歴史を肌で感じるうちに、遊牧地を訪ねてみたくなった新藤さんは、トルコ西部の山にある遊牧民の夏の放牧地で羊飼いに挑戦することに…。私の詳しい感想はコチラ

イスタンブールの目」新藤悦子 主婦の友社

トルコには何度も行きながらも、実はイスタンブールはなかなか好きになれなかったという新藤悦子さんが、生粋のイスタンブールっ子と出会うことによってその魅力に開眼。旅行者としてではなく、滞在者としての視点から見たイスタンブールを紹介していきます。ガイドブックにはないイスタンブールが垣間見れますし、素敵なイラスト付きのトルコ料理のレシピがあるのも嬉しいところ。次に紹介する「トルコ-風の旅」と同じくフォトエッセイ。私の詳しい感想はコチラ

トルコ-風の旅」新藤悦子 東京書籍

トルコに出かけるようになって10年。まずはイスタンブールに始まり、卓越の手(ケマル・エリ)で山の上からエーゲ海の水を汲んだという聖者・サル・クズのいたカズ山、トルコ絨毯の産地の1つミラスの町、地中海のリゾート地・カシュ、奇岩に雪の降り積もるカッパドキア、真夏のマルディン、トルコの言葉しか許されていないクルドの村・ドーバヤジットの学校、アルメニアのグルジアの国境に近いアニやダマルの村など、トルコの西の端から東の端まで旅をして回った新藤悦子さんのフォト・エッセイ。エッセイはもちろんのこと、生き生きとした人々の表情が印象的です。私の詳しい感想はコチラ

トルコの幸せな食卓」細川直子 洋泉社

初めて訪れたトルコで、何はともあれ腹ごしらえをと入った食堂で食べたトルコ料理の安く美味しいことに感動したという細川直子さん。「食べものが安くておいしい国は、きっといい国に違いない」と感じた細川さんは、その後イスタンブールに10年以上暮らすことになり、今もトルコと日本を行ったり来たりの生活なのだそう。「トルコのなにがそんなに気に入ったの?」という問いに「食べもの」と答えるほどの食いしん坊・細川直子さんのトルコ案内。…これは本当に美味しそうです。どの料理も食べたくなってきてしまって大変。食べ物を通して見えてくるトルコの人々も、とても暖かくて魅力的で、確かに料理の安くて美味しい国には悪い国はないのかも、なんて思えてきます。巻末には代表的なトルコ料理6品のレシピ付き。私の詳しい感想はコチラ

イスタンブールのへそのゴマ」フジイセツコ 旅行人

初めての旅から2年後、トルコで暮らすと決意して会社も辞めてしまったフジイセツコさん。トルコ語も分からないまま、まずは3ヶ月の予定でトルコに滞在。そして半年の帰国を経て、再びトルコへ。そして気がつけば5年。友人に送っていた絵日記がきっかけでトルコ暮らしの話が1冊にまとまってしまったという本。細かい説明入りのイラスト満載で、イラストが好みならとても楽しい本なんでしょうけれど… 楽しいエピソードも沢山紹介されているはずなのに、トルコに住むことの困難さばかりが目についてしまった本です。

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