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酒井駒子さんの絵本
どこか懐かしさを感じさせる絵で、眺めているだけでも幸せな気持ちになります

酒井駒子絵本作品■
リコちゃんのおうち」さかいこまこ 偕成社(1998/10)

おにいちゃんかいじゅうに邪魔されて遊べないリコちゃんのためにママが作ってくれたのは、リコちゃんだけのおうち。絵の酒井駒子さんらしさは薄いですし、言われなければ気がつかないほどなのですが、小さなダンボール箱で作ったおうちが、リコちゃんの中ではいくらでも楽しく豊かな空間に広がっていくのがとても素敵な物語です。酒井駒子さんのデビュー作。私の詳しい感想はコチラ

よるくま」酒井駒子 偕成社(1999/11)

ベッドの中の「ぼく」がママに話したのは、前の晩にやって来た可愛いお客さま・よるくまのこと。よるくまのおかあさんがいなくなってしまって、2人一緒におかあさんを探す冒険に出たのです…。よるくまの不安そうな表情、お母さんを見つけて泣き出す表情、包容力のありそうなお母さんの表情、一緒に寝ている時の「ぼく」の楽しそうな表情、そして寝入ってしまったあどけない顔。どの表情もきゅんとしてしまうほど可愛いですし、夜の色使いも素敵です。私の詳しい感想はコチラ

ぼく おかあさんのこと…」酒井駒子 文溪堂(2000/05)

「ぼく おかあさんのこと…」「キライ。」そんな衝撃的な台詞で始まるお話。なぜキライかといえば、日曜日の朝はいつまでも寝ていて、ドラマばっかり見て、すぐ怒るし、早く早くとせかすくせに自分はゆっくりしているから。…そんなことを言いながらも、本当はお母さんのことが大好きな「ぼく」。お母さんも「ぼく」のことが大好き。そんな気持ちがいっぱい伝わってくる絵本です。「ぼく」は可愛いですし、おかあさんも表情豊か。それでも私は「ぼくが おおきく おおきく おおきくなっても」というページが大好き。何度見てもくすっとなってしまいます。私の詳しい感想はコチラ

よるくま-クリスマスのまえのよる」酒井駒子 偕成社(2000/10)

お友達になったよるくまが遊びに来たのは、クリスマスの前の夜のこと。サンタさんのことを知らないよるくまのために、「ぼく」はよるくまのサンタさんになってあげることに。「ママにいっぱい叱られたから、サンタさんは来ないかも」「よるくまはまだ小さいから、いっぱいだっこしてもらえていいな」そんな複雑な胸中だった「ぼく」が小さい頃に戻ってる場面が素敵。とても暖かい気持ちになります。私の詳しい感想はコチラ

赤い蝋燭と人魚」小川未明文・酒井駒子絵 偕成社(2002/01)

北の海に住む人魚は、生まれてくる子供に、寂しく冷たい海ではなく、人間の住む美しい町で育って欲しいと考え、子供を陸で産み落とします。その人魚の女の子を拾ったのは、蝋燭の店を営む子供のいない老夫婦でした…。実は子供の頃からずっと苦手だった作品。始まりの雰囲気などはとても素敵なのですが、童話というにはちょっと… しかしこの物語に駒子さんの絵の重苦しい美しさがよく似合いますね。私の詳しい感想はコチラ

こりゃ まてまて」中脇初枝文・酒井駒子絵 福音館書店(2008/05)

お父さんと公園に行った女の子。チョウやトカゲ、ハトやネコを見つけてよちよちと追いかけるのですが、「こりゃ まてまて」と言われた途端、みんな逃げて行ってしまうのです…。日常の中でよくありそうな場面を切り取った絵本。いつもながら酒井駒子さんの描く女の子がとても可愛くて、読んでいるとふわっと暖かいものに包まれたような気分になります。

ロンパーちゃんとふうせん」酒井駒子 白泉社(2003/03)

まちで風船をもらったロンパーちゃん。飛んでいってしまわないように、指にくくってもらっておうちにやってきて、ロンパーちゃんは一緒に遊ぶのですが、すぐに天井にのぼってしまうのです。そんな風船に、お母さんは素敵な工夫をしてくれて…。ロンパーちゃんのお母さんがまるで少し昔のパリっぽいモードでお洒落。表紙のピンク色も印象的。このロンパーちゃん、「こりゃ まてまて」の女の子がちょっぴり大きくなったみたいに感じるのは私だけでしょうか。私の詳しい感想はコチラ

金曜日の砂糖ちゃん」酒井駒子 Luna Park Books(2003/10)

暖かくて気持ちの良い午後に庭で昼寝をする女の子のお話「金曜日の砂糖ちゃん」、知らない道を通って帰った男の子が今まで知らなかった場所を発見する「草のオルガン」、そして夜中に目を覚ました女の子の「夜と夜のあいだに」の3つのお話。3つの話はどれも夢の中の出来事のよう。起きた後で「こんな夢を見た」と思い起こすのではなく、この夢はまだ現在進行形。果たして無事に現実に戻れるのかどうかは謎です。私の詳しい感想はコチラ

きつねのかみさま」あまんきみこ文・酒井駒子絵 ポプラ社(2003/12)

おやつを食べ終わった時に公園になわとびを忘れて帰ったことに気づいた「あたし」は、弟のけんちゃんと一緒に公園へ。でもかけたはずの木の枝には何もないのです。2人は風に乗って聞こえてきた楽しそうな笑い声のする方へ…。女の子と弟の表情はもちろんのこと、きつねたちもとても可愛くて、一緒に遊んでいる場面などは見ていてウキウキしてくるほどです。「きつねのかみさま」という題名にもなるほど〜。

こうちゃん」須賀敦子文・酒井駒子絵 河出書房新社(2004/03)

どこの子なのか、だれひとりとして知らないけれど、そこに確かに存在している「こうちゃん」。須賀敦子さんの文章もとても素敵なのですが、酒井駒子さんの絵と出会うことによってさらに一層素敵な作品になっていると思います。ひらがなが多い文章は実は難解。ゆったりと静かにかみ締めるように味わいたい大人向けの作品。私の詳しい感想はコチラ

ゆきがやんだら」酒井駒子 学習研究社(2005/12)

夜中に降り始めた雪がまだ降り続いているため、バスが動かなくなり幼稚園がお休みに。飛行機が飛ばないからパパが帰って来られない、そんな日の物語。降りしきる雪、そして一面の銀世界の静けさ、そして夜の雪の中で一心に遊ぶ子供を見つめるお母さんの優しく柔らかい視線。とても暖かい気持ちになれる絵本です。私の詳しい感想はコチラ

ビロードのうさぎ」マージェリィ・W・ビアンコ文・酒井駒子絵訳 ブロンズ新社(2007/04)

忘れ去られていたのに、ひょんなことからぼうやの大のお気に入りになったビロードのうさぎ。どこに行く時も寝る時も一緒で、ぼうやにとっての「ほんもの」になるのですが…。心から愛された時に「ほんもの」になるうさぎのぬいぐるみ。でも「ほんもの」とは何なのでしょう。うさぎにとっては、ぼうやとの心の絆こそが「ほんもの」ですよね。酒井駒子さんの絵の素晴らしさが堪能できる絵本。問いかけるようなうさぎの緑の目がとても素敵です。

くまとやまねこ」湯本香樹実文・酒井駒子絵 河出書房新社(2008/04)

仲良しのことりが死んでしまい、くまは綺麗な箱の中にことりを寝かせて持ち歩きます。森の友達たちみんなに、早くことりのことを忘れた方がいいと言われるのですが…。深い悲しみを癒すには、時間が一番の薬だということは分かっていても、かけがえのない存在を失った時に、それほど簡単に割り切れるはずはありません。私の詳しい感想はコチラ

BとIとRとD」酒井駒子 白泉社(2009/06)

□(しかく)ちゃんという女の子の8つの小さな情景。「BとIとRとD」という題名が「BIRD」をばらばらにしているように、□ちゃんの日常の情景も1つずつ、全部で8つ。でも、□ちゃんにとっては、この8つの情景は滑らかに続いているのでしょうね。一番身近な情景は「図書館」。一番好きなのは「お友達」。ふとした瞬間に夢から醒めたように「足先の縫い目の堅いのが、急に見えてきて」というのが、ものすごくよく分かります。私の詳しい感想はコチラ


酒井駒子解説作品■
Pooka+ 酒井駒子 小さな世界」酒井駒子・Pooka編集部 学習研究社(2008/06)

日本だけでなく海外にもファンが多いという酒井駒子さんのこれまでの仕事を総まとめして全て紹介する本。今ではもう手に入らない貴重な仕事もここで見られますし、書き下ろしの絵本まであるのです。それ以外にも、酒井駒子さんのインタビューやコラム、お好きな本の紹介なども。一堂に会した絵を見ているだけでも幸せになれるというのに、なんという贅沢。ファン必見の本です。

絵本のつくりかた1-あこがれのクリエイターとつくるはじめての物語(みづゑのレシピ)」酒井駒子他 美術出版社(2003/05)

1枚の紙を折り紙のように畳んでみたり、しかけを作ってみたり。大好きなものを集めて繋げてみたり。そんな風に楽しく絵本を作る本。酒井駒子さんの創作場面が見えてくる「絵本と物語が生まれるところ」だけでなく、絵本に携わる色んな人々のことも取り上げられていて、それぞれの作品の奥にあるものが見えてくるのがまた嬉しいところ。白紙の本とレシピの2冊セットで、絵本が大好きな人にも、いつか絵本を作りたい人にも。


酒井駒子表紙作品■
ぼくとアナン」梓河人 角川書店(2001/12)

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夜の鳥」トールモー・ハウゲン(山口卓文訳)河出書房新社(2003/06)

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ヨアキム-夜の鳥2」トールモー・ハウゲン(山口卓文訳)河出書房新社(2003/06)

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蛇行する川のほとり」恩田陸 中央公論新社(2007/06)

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