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アーサー王は、6世紀頃に実在したとも言われる伝説の英雄
吟遊詩人に謡われたアーサー王や円卓の騎士たちの物語が、子供の頃から大好きでした
基本的資料はコチラ。ケルト神話関連作品はコチラにありますので合わせてどうぞ

アーサー王伝説関連作品(応用編)■
対訳テニスン詩集」テニスン(西前美巳編)岩波文庫(2003/04)

ヴィクトリア朝を代表する桂冠詩人・アルフレッド・テニスンは、幼い頃よりアーサー王伝説に魅せられ、そこに題材を取った詩をいくつか書き残しています。ここに収められているのは、その中でも特に有名な「シャロット姫」と、「国王牧歌」の最終巻「アーサーの死」。幻想的で叙情的な美しさを持つ「シャロット姫」も、重厚で荘重な美しさを持つ「国王牧歌」も、どちらもそれぞれにとても素敵です。私の詳しい感想はコチラ

倫敦塔・幻影(まぼろし)の盾」夏目漱石 新潮文庫(1952/07)

トマス・マロリーの「アーサー王の死」、テニスンの「シャロット姫」「国王牧歌」を元に漱石が書いたのが、この中に収められている「薤露行(かいろこう)」。テニスンの詩と違うのは、塔の中からランスロットを見てしまうシャロット姫、そしてキャメロットへ小船で流れ着くエレーンと、2人の女性に分かれていること。私の詳しい感想はコチラ

アーサー王宮廷のヤンキー」マーク・トウェイン(小倉多加志訳)ハヤカワ文庫NV(1976/05)

マーク・トウェインが書いたアーサー王物語。19世紀の人間がアーサー王時代の英国にタイムスリップするという内容です。都合が良すぎる面もありますが、アーサー王治世下のイギリスの様々な問題点を指摘し、主人公の知っている限りの19世紀の技術をどんどんこの時代に持ち込んでしまうというところがユニーク。私の詳しい感想はコチラ。(左の画像とリンク先は創元推理文庫版ですが、私が読んだのはハヤカワ文庫NV版)

アヴァロンの霧」全4巻 マリオン・ジマー・ブラッドリー(岩原明子訳)ハヤカワ文庫FT(1988/04)

伝説の中ではあまり詳しく語られていない、モーガン・ル・フェイの視点からアーサー王伝説を描いた作品。とてもケルト的です。伝説に忠実でありながら、その奥に大胆な解釈を加えているのが読みどころ。私の詳しい感想はコチラ。ブラッドリーには、この「アヴァロンの霧」の前段階の物語として「聖なる森の家」という作品もあります。
異教の女王」「宗主の妃」「牡鹿王」「円卓の騎士

永遠の王 上」「永遠の王 下」T・H・ホワイト(森下弓子訳)創元推理文庫(1992/01)

ブラッドリーの「アヴァロンの霧」と並ぶ、アーサリアンファンタジーの名著とされているようですが、雰囲気はかなり違うので、好みが分かれるところかもしれません。こちらはかなりドタバタとした雰囲気で始まります。時間の流れの描き方などは、SF作品とも言えるかも。私の詳しい感想はコチラ

No Image五月の鷹」アン・ローレンス(斎藤倫子訳)福武書店(1992/02)

「五月の鷹」とはガウェインのこと。ガウェインが、「この世で女が最も望むものとはなにか?」という謎の答を探し出す探求の物語。本来のアーサー王伝説では、アーサーに問われた謎だったのですが、ここではガウェインが罠にかけられて1年の間に正しい答を探し出すことになります。これはガウェインにとても良く似合う冒険ですね。ガウェインには関係ないアーサー王伝説のエピソードが様々な形で顔を出して、作者の遊び心が楽しい作品です。私の詳しい感想はコチラ

小説アーサー王物語」全6巻 バーナード・コーンウェル(木原悦子訳)原書房(1997/04)

アーサー王伝説は有名ですが、史実としてはサクソン人相手に戦った指揮官にアーサーという名の人物がいたらしいという程度。そんな曖昧な史実を逆手に取って作り上げられた、これまでになかったアーサー王物語。当時の風俗を生々しく再現し、非常に泥臭い物語となっていますが、それが逆に迫力を出しています。私の詳しい感想はコチラ
エクスカリバーの宝剣 上」「エクスカリバーの宝剣 下」「神の敵アーサー 上」「神の敵アーサー 下」「エクスカリバー最後の閃光 上」「エクスカリバー最後の閃光 下

アーサー王妃物語」ローレル・フェラン(奥野昌子訳)角川文庫(2000/10)

過去世退行セラピストだというローレル・フェランが、繰り返しみる夢をきっかけに、自分の過去世がアーサー王妃・グイネヴィアだったことを知り、その肉体と精神に深く入り込んで体験した出来事を物語として書き留めたという、異色のアーサー王物語。ここで描かれているグイネヴィアの姿は、通常知られているアーサー王伝説の中の姿とはかなり異なっています。私の詳しい感想はコチラ

少年騎士アーサーの冒険」全3巻 ケビン・クロスリー=ホランド(亀井よし子訳)角川文庫(2004/07)

12世紀末のイギリスを舞台にした、騎士になることを夢見る少年・アーサーの物語。13歳のアーサーが父の友人であるマーリンにもらうのは黒曜石の石。誰にも持っていることを言ってはならないと渡されたその石は、アーサーに伝説のアーサー王の物語を見せてくれるのです。私の詳しい感想はコチラ
少年騎士アーサーの冒険1-予言の石」「少年騎士アーサーの冒険2-運命の十字

マーリン」全5巻 T.A.バロン(海後礼子訳)主婦の友社(2004/12)

今まで語られたことのなかったマーリンの少年時代の物語。作者のT.A.バロンは、アメリカ生まれのアメリカ育ちながらもオックスフォード大学に留学し、ケルトの伝説やアーサー王文学に惹きつけられて、どの伝説にも書かれていないマーリンの少年時代、魔法使いになるまでの物語を書いたのだそうです。私の詳しい感想はコチラ
マーリン1-魔法の島フィンカイラ」「マーリン2-七つの魔法の歌」「マーリン3-伝説の炎の竜」「マーリン4-時の鏡の魔法」「マーリン5-失われた翼の秘密

アーサー王宮廷物語」全3巻 ひかわ玲子 筑摩書房(2006/02)

アヴァロンに育ち、鷦鷯(みそさざい)に変身できる魔力を持つ少女・メイウェルの視点から描いていくアーサー王物語。鷹に変身できるメイウェルの双子の兄・フリンはアーサー王に、メイウェルはギネヴィア王妃に仕えています。そしてメイウェルの親友は、塔に幽閉されてタペストリーを織り続けているシャロットの姫・エレイン。私の詳しい感想はコチラ
キャメロットの鷹-アーサー王宮廷物語1」「聖杯の騎士-アーサー王宮廷物語2」「最後の戦い-アーサー王宮廷物語3


アーサー王伝説関連作品(発展編)■
狂えるオルランド」ルドヴィコ・アリオスト(脇功訳)名古屋大学出版会(2001/08)

8世紀末のシャルル・マーニュ率いるキリスト教徒軍とイスラム教徒軍との戦いや、騎士たちの恋や武勲を描いた物語。直接アーサー王伝説を描いている物語というわけではないですし、登場するのもマーリンの霊ぐらいなのですが、アーサー王伝説をきちんと踏まえた上で書かれているのがよく分かりますし、アーサーを始めとした騎士たちの名前も登場します。私の詳しい感想はコチラ

妖精の女王」全4巻 エドマンド・スペンサー(和田勇一・福田昇八訳訳)ちくま文庫

16世紀の英国の詩人、エドマンド・スペンサーの代表作となった長編叙事詩。アーサー王伝説に題材をとり、「紳士、即ち身分ある人に立派な道徳的訓育を施す」という目的の元に書かれたという作品。しかし実際にはアーサー王や円卓の騎士たちというよりもむしろ、伝説に見られる騎士道や探求をモチーフにした作品と言えそうです。「妖精の女王」とは、当時のイングランド女王、エリザベス一世のこと。私の詳しい感想はコチラ
妖精の女王1」「妖精の女王2」「妖精の女王3」「妖精の女王4

サタンの僧院」柄刀一 原書房(1999/04)

直接アーサー王物語というわけではありませんが、明らかに「サー・ガウェインと緑の騎士」を下敷きにして書かれたミステリ作品。アーサー王伝説が好きな人には、かなり楽しめるのではないでしょうか。私の詳しい感想はコチラ

魔術師マーリンの夢-アーサー王物語伝説」ピーター・ディキンスン 原書房(1999/04)

自分の知っている全てのことをニムエに教えたマーリンが、逆にニムエに岩の中に閉じ込められてしまうというトーマス・マロリー「アーサー王の死」に伝えられるエピソードを元に書き上げられた物語。実はマーリンが岩の中に入ったのは自分の意志であり、そこではマーリンは長い眠りについているだけ。時々目を覚まし、自分の生涯のことを追想し、またしても夢の世界に漂っていくのです。アーサー王も伝説の騎士たちも登場しませんが、ここに描かれているのはまさしく中世の騎士たちの世界。私の詳しい感想はコチラ

コーンウォールの聖杯」スーザン・クーパー 学習研究社(2002/05)

夏休みの休暇でコーンウォールの港町にやって来た3人のきょうだいが、アーサー王伝説にまつわる古文書を見つけ、それがきっかけで思わぬ戦いに巻き込まれていく物語。「闇の戦い」4部作の前日譚的な存在の作品のようです。これ1冊では明らかにされない部分も多く、続けて「闇の戦い」が読みたくなります。私の詳しい感想はコチラ

ニューヨークの魔法使い」シャンナ・スウェンドソン 創元推理文庫(2006/07)

現代ニューヨークには魔法使いや妖精がいっぱい? テキサスからニューヨークにやって来たごくごく普通の女の子のケイティが、その普通さゆえに魔法使いと関わりになってしまうというファンタジー。そして、このケイティが勤めることになる魔法使いの会社の最高責任者が、なんと現代に蘇ったマーリンなのです。とってもキュートで夢がある物語。私の詳しい感想はコチラ
ニューヨークの魔法使い」「赤い靴の誘惑」「おせっかいなゴッドマザー

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