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ゲルマン民族の伝える北欧(ゲルマン)神話関連作品を集めました
ゲルマン民族は歴史的に北から南へと大きく移動していったため、北欧だけが舞台とは限りませんが
ノルウェーやアイスランドで成立したエッダが北欧神話の中心となっています

北欧(ゲルマン)神話関連作品(基礎編)■
北欧神話」パードリック・コラム(尾崎義訳)岩波少年文庫(2001/11)

アイルランドの詩人で劇作家のパードリック・コラムが、エッダを元に北欧神話を少年少女向けに再話したもの。物語調ではありますが、構成がとても面白いですし、上手くまとめられているので分かりやすいです。読み物としても面白いと思います。北欧神話初心者にはオススメ。これで世界観やそれぞれの神々の性格を掴んでから、もっと詳しい文献に当たると分かりやすいと思います。ウィリー・ポガニーの挿絵もイメージにぴったり。私の詳しい感想はコチラ

北欧の神話 神々と巨人のたたかい-世界の神話8」山室静 筑摩書房(1982/01)

分類としては児童書に分けられる本なのではないかと思うのですが、山室静さんの説明はポイントを掴んでいて分かりやすく、しかも意外と詳しくて、読み応えがあります。ページ数の関係からなのか、「ベオウルフ」や「シグルドの竜退治」などの英雄伝説などが全て省かれているのが残念なのですが、北欧神話入門編として一読の価値のある1冊なのではないかと思います。私の詳しい感想はコチラ

『ニーベルンゲンの歌』を読む」」石川栄作 講談社学術文庫(2001/04)

「エッダ」、「ヴォルスンガサガ」、「ニーベルンゲンの歌」などで読むことのできるジークフリート伝説。それらの物語は大筋では同じでも、ジークフリートの出自や相手となる女性との出会いなどでかなりの相違があります。それらの作品群のうちどれが原型であり、どのように変化していったのかということが書かれている本。「ジークフリート伝説-ワーグナー『指輪』の源流」という本もあり、こちらはエッダやサガが取り上げられているところがポイントですが、「ニーベルンゲンの歌」そのものに関しては、「『ニーベルンゲンの歌』を読む」の方が詳しいですしオススメです。

ヘイムスクリングラ」スノッリ・ストゥルルソン 北欧文化通信社(2008/10)

「ユングリングサガ」「ハルヴダン黒髪王のサガ」「ハラルド美髪王のサガ」「ハーコン善王のサガ」「灰色マントのハラルド王のサガ」が収められた、スノッリ・ストゥルルソンによる北欧王朝史。オーディンやフリッダ、フレイやフレイヤなどの北欧の神々が実在の人物として書かれているのがとても興味深いです。私の詳しい感想はコチラ


北欧(ゲルマン)神話関連作品(叙事詩編)■
エッダ-古代北欧歌集」(谷口幸男訳)新潮社(1973/01)

古代北欧語で書かれたゲルマン神話および英雄伝説の集成「エッダ」(古エッダ)と、13世紀にアイルランドの詩人・スノリ・ストルルソンによって書かれた「エッダ」(散文エッダ)の中の第一部に当たる神話大観「ギュルヴィたぶらかし」。古エッダが37編も収められているのが嬉しいところ。どうやらこれが完訳版と言えるようです。私の詳しい感想はコチラ

No Imageエッダとサガ-古代古典への案内」谷口幸男 新潮選書(1976/01)

その題名通り、「エッダ」と「サガ」を紹介する本。原文の翻訳ではなく、谷口幸男氏による梗概なのですが、それが逆に初めて北欧神話関連作品に触れる人には分かりやすいのではないかと思います。それにサガに関する本はあまり多くありませんし、しかもその多くが絶版状態。ここでサガ20数編が紹介されているというのは資料として貴重です。私の詳しい感想はコチラ

アイスランドサガ」谷口幸男 新潮社(1979/01)

アイスランドの人々の歴史な出来事や英雄を伝える散文物語・サガ。数あるサガの中から「エギルのサガ」「グレティルのサガ」「ラックサー谷の人びとのサガ」「エイルの人びとのサガ」「ヴォルスンガサガ」「ニャールのサガ」という、五大サガ+1(ヴォルスンガサガ)を完訳したもの。こういったサガの完訳本はとても少ないので貴重です。私の詳しい感想はコチラ

アイスランド サガ-スールの子ギースリの物語」(大塚光子訳)三省堂(1987/08)

10世紀に実在した人物・ギスリのサガ。ノルウェーで騒ぎを起こしてアイスランドに移ることとなり、やがて義兄弟の敵討ちのための殺人のかどで追放刑になりながらも10年以上生き延びたギスリの生涯の物語。英雄でありながら、とても悲劇的です。私の詳しい感想はコチラ

エッダ・グレティルのサガ-中世文学集3」(松谷健二訳)ちくま文庫(1986/10)

アイスランドの地に、8世紀から13世紀にかけて成立した神々と英雄たちの物語「エッダ」、そして同じくアイスランドの地に12世紀から13世紀にかけて成立したヴァイキングの豪傑・グレティルの叙事詩「グレティルのサガ」。「エッダ」は叙事詩ですが、「グレティルのサガ」は元々散文作品です。私の詳しい感想はコチラ

ギスリのサガ」(渡辺洋美訳)北欧文化通信社(2008/08)

上に挙げた「アイスランドサガ-スールの子ギースリの物語」と同じサガ。同名の登場人物が多くてややこしいのは相変わらずですが、2度目に読むにも関わらず少々分かりづらかったです。おそらく詳細な注釈が文中に挿入されているせいかと…。以前とても印象に残った判官贔屓の哀愁がこちらでは感じられず残念でした。私の詳しい感想はコチラ

ニーベルンゲンの歌 前編」「ニーベルンゲンの歌 後編」(相良守峯訳)岩波文庫(1975/01)

ニーデルラントの雄々しい颯爽とした王子・ジーフリトとその妻となるクリエムヒルトの愛、そしてクリエムヒルトとその兄の妻・ブリュンヒルトの口論に端を発した、ジーフリトの謀殺。そしてクリエムヒルトの復讐劇。北欧神話にモチーフを得たドイツの国民的英雄叙事詩。この人間ドラマは現代人にとっては、数ある叙事詩の中でも特に面白い作品だと思います。私の詳しい感想はコチラ

王女クードルーン」(古賀允洋訳)講談社学術文庫(1996/10)

かつてクードルーンに求婚を断られたノルマンディーのハルトムート王子は、かつて同じように求婚を断られたモールラント王・ジークフリートがクードルーンの婚約者・ヘルヴィヒ王のゼーラントに攻め込んだ隙に、ヘゲリンゲンにいたクードルーンを奪い去り… という英雄叙事詩。ドイツの「イリアス」と称される「ニーベルンゲンの歌」に対し、こちらは「ドイツのオデュッセイア」と呼ばれている作品なのだそう。私の詳しい感想はコチラ


北欧(ゲルマン)神話関連作品(応用編)■
ニーベルングの指環」全4巻 リヒャルト・ワーグナー著 アーサー・ラッカム絵(寺山修司訳)新書館(1983/04)

ワーグナーのオペラ「ニーベルンゲン(ニーベルング)の指環」原作全4巻。北欧神話(エッダ)のシグルド伝説と「ニーベルンゲンの歌」を元に、ワーグナーが作り上げた世界です。アーサー・ラッカムの独特の雰囲気がこの世界に、恐ろしいほどよく似合っています。私の詳しい感想はコチラ。(画像は洋書のもの)
ラインの黄金-ニーベルングの指環1」「ワルキューレ-ニーベルングの指環2」「ジークフリート-ニーベルングの指環3」「神々の黄昏-ニーベルングの指環4


北欧(ゲルマン)神話関連作品(発展編)■
エルフギフト 上」「エルフギフト 上」スーザン・プライス(金原瑞人訳)ポプラ社

南イングランドのサクソン人の王国を舞台に描いた重厚なファンタジー。ゲルマン神話が下敷きとなっており、実際にオーディンがウドゥという名の吟遊詩人となって登場しますし、血で血を洗う争いぶりがとてもゲルマン的。同時に異界の描写や大釜などケルト神話の影響も濃いのではないかと思いますが…。ファンタジー作品というよりも、神話の世界といった方が相応しいかもしれません。私の詳しい感想はコチラ。同じく北欧神話が含まれる「オーディンとのろわれた語り部」という作品もあります。

とぶ船 上」「とぶ船 下」ヒルダ・ルイス(石井桃子訳)岩波少年文庫(2006/01)

魔法の船を手に入れたピーター、スーザン、ハンフリー、サリーの4人が、その船に乗り、時空を超えて様々なところを冒険する物語。この物語に登場する「とぶ船」とは、北欧神話の神フレイのスキードブラドニールなのです。私が北欧神話のことを初めて知ったのは、この作品がきっかけでした。ピーターはオーディンその人からこの船を買い、その船はアースガルドの北欧神話の世界にまで4人を連れて行ってくれます。私の詳しい感想はコチラ

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