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アーサー王伝説は大好きでも、ケルト神話の存在を知ったのは大人になってから
ケルト神話とは、アイルランドやウェールズのケルト人に伝わる、いくつかの神話群の集合体です
マビノギオンなどアーサー王絡みの作品はコチラコチラにありますので、合わせてどうぞ

ケルト神話関連作品(基礎編)■
オシァン-ケルト民族の古歌」岩波文庫(1971)

スコットランド高地に住むケルト民族、ゲール人たちの間で語り継がれてきた古歌。3世紀頃にスコットランド北部のモールヴェンにいたとされるフィンガル王(フィン王)と、その一族の物語です。一族の者たちが次々に倒されて、最後に残されたオシァンが、息子・オスカルの許婚で立琴の名手だったマルヴィーナに、もう一度歌心を呼び戻して欲しいと望み、一族の戦士たちの物語を歌って聞かせたという形式になっています。これぞバラッドと言いたくなるような作品。私の詳しい感想はコチラ

ケルト妖精物語」W.B.イエイツ(井村君江訳)ちくま文庫(1986/04)

アイルランド生まれの詩人・イエイツが、アイルランドの民間伝承物語・妖精譚を自分で選び、アイルランドの妖精を初めて分類し体系化したというもので、「ケルト幻想物語」と対になっています。「妖精 Who's Who」と同じように、気まぐれで我儘で意地悪な妖精の物語が中心。読んでいると、日常の生活の中で妖精たちと自然に同居している人々の言葉がそのまま伝わってくるようです。私の詳しい感想はコチラ。同じくちくま文庫から出ている「ケルトの薄明」も。

ケルトの神話-女神と英雄と妖精と」井村君江 ちくま文庫(1990/03)

アイルランドに伝わるケルトの神話は、大きくダーナ神族の神話、アルスター神話、フィアナ神話の3つに分けられます。ダーナ神族の神話は純粋に神話らしい神話ですが、アルスター神話は、英雄・ク・ホリンと赤枝の戦士団、フィアナ神話はフィン・マクールとフィアナ騎士団を中心とした英雄譚といった趣き。ドゥルイド僧の存在や、ケルト神話からアーサー王伝説に発展していった部分、そしてギリシャ神話や北欧神話を思い起こさせる部分などが散見されて、とても興味深いです。私の詳しい感想はコチラ

「沈める都-イスの町伝説」シャルル・ギヨ(有田忠郎訳)鉱脈社(1990/08)

ブルターニュに残る、5世紀に海没したというイスの町の伝説やキリスト教の聖者伝を元に、シャルル・ギヨが作り上げたフランスのケルト物語。とても美しい物語なのですが、同時にキリスト教色が強い物語となっており、読んでいるとキリスト教と異教との戦いの物語のように見えてきます。そしてそれが逆に、元の伝説がどのようなものだったのかという興味をそそります。私の詳しい感想はコチラ。「ブルターニュ幻想-フランス民話」にも、イスの町の伝説の物語が収められています。

ケルト妖精民話集」J.ジェイコブズ編(小辻梅子訳編)現代教養文庫(1992/06)

オーストラリア生まれの民俗学者であり歴史学者のジョーゼフ・ジェイコブズが編集したケルトの民話集の中から、訳者の小辻梅子さんが妖精物語を16編選んで編集したもの。世界各地の童話や民話に見られるような物語から、いかにもケルトらしい物語まで様々です。対になる本として、ケルトの英雄たちの物語を集めた「ケルト幻想民話集」、そしてダーナ神族やフィアナ伝説を収めた「ケルト魔法民話集」があります。私の詳しい感想はコチラ

ケルトの神話・伝説」フランク・ディレイニー(鶴岡真弓訳)創元社(2000/09)

「アイルランドの神話」「<牛捕り伝説>の白眉」「ウェールズの伝説」「<アーサー王伝説>の系譜」という4章に分けて、19編の物語が収められています。アーサー王伝説で語られるのはトリスタンとイゾルデだけですし、抜けているエピソードも多々あるのですが、個人的には、井村君江さんよりも鶴岡真弓さんの文章の方が相性が良いようです。「ケルトの神話-女神と英雄と妖精と」よりもずっと面白く読めました。私の詳しい感想はコチラ

黄金の騎士フィン・マックール-ケルト神話」ローズマリー・サトクリフ(金原瑞人・久慈美貴)ほるぷ出版(2003/02)

フィアンナ騎士団が全盛を誇ったのは、英雄・フィン・マックールが騎士団長を務め、コルマク・マッカートがエリンの上王だった頃のこと。フィン・マックールの死と共にエリンの輝かしい日々もフィアンナ騎士団の栄光も終わりを告げることになるのですが、それがまたケルトの斜陽の美にとてもよく似合っていると思います。私の詳しい感想はコチラ

炎の戦士クーフリン-ケルト神話」ローズマリー・サトクリフ(灰島かり訳)ほるぷ出版(2003/03)

ティル=ナ=ノグに住む神々の一族の血を引くデヒテラ姫と、太陽神「長い槍のルグ」の間に生まれたクーフリンは、勇者揃いの赤枝戦士団の中でも並ぶもののない勇士に成長します。自分の運命を選び取ったその日から、クーフリンはその運命をそのまま受け入れ、真正面から戦い続けることに…。「黄金の騎士フィン・マックール」と対になるケルト神話の物語ですが、こちらの方が荒々しく激しい英雄物語です。私の詳しい感想はコチラ

妖精の騎士 タム・リン」スーザン・クーパー再話(もりおかみち訳)小学館(2005/07)

スコットランドに伝わる古いバラッド「タム・リン」を、スーザンクーパーが再話、ウォリック・ハットンの絵によって絵本に作り上げたもの。伝承と大筋では一緒ながらも、微妙に物語の細部が異なっているのが興味深いところ。何か特別な意味があったのでしょうか。マーガレット王女がタム・リンと出会う場面はとても印象的で素敵です。私の詳しい感想はコチラ

サー・オルフェオ」アンシア・デイビス文 エロール・ル・カイン絵(灰島かり訳)ほるぷ出版(2004/11)

最愛の王妃・ヒュロディスを不気味な大王に突然奪われたサー・オルフェオは、竪琴だけを持って城を後にし、ようやく王妃の居所を掴んだ時、大王の前で竪琴を弾くことに… というケルトの伝承の中に伝えられるサー・オルフェオの物語。特有の縄目模様など、そこここにケルトの香りがすると思えば、エロール・ル・カインはアイルランドに伝わるケルトの文様で装飾された古い手書きの聖書「ケルズの書」から、模様や構図を借りたのだそう。クラシックな雰囲気が素敵です。

アイリッシュ・ハープの調べ-ケルトの神話集」マリー・ヒーニー(河口和子・河合利江訳)春風社(2007/09)

神話時代からは「モイテューラの戦い」「リールの子どもたち」、アルスター伝説からは「クーフリンの誕生」「ブリックルーの宴会」「悲しみのディアドラ」、フィアナ伝説からは「フィンと知恵の鮭」「魔法にかけられた鹿」「オシーンと不老不死の楽園」と、代表的な8編が収められた本。元々子供用に書かれているので分かりやすく、入門編としてはとても良さそうです。


ケルト神話関連作品作品(解説編)■
妖精 Who's Who」キャサリン・ブリッグス(井村君江訳)ちくま文庫(1990/08)

ブラウニーやドワーフ、エルフなどの有名な妖精から、名前を聞いたこともないような妖精まで、101もの妖精が紹介されている本。本来イギリスには、この4倍もの種類の妖精がいるのだそう。日本で妖精といえば、基本的に可愛らしくて良いイメージだと思うのですが、ここに登場する妖精は気まぐれだったり意地悪だったり、時には残酷だったり。昨日までは機嫌が良くても、今日の機嫌は分からないところが不気味です。実際、妖精を信じていた昔の農家の人々は、たとえ相手が良い妖精であっても、決して怒らせないように気をつけていたようですね。私の詳しい感想はコチラ

No Image「ユリイカ 特集ケルト-漂流のヨーロッパ」青土社(1991/03)

中沢新一、鶴岡真弓「ふたつのヨーロッパ」、大久間慶四郎「ケルト民族の歴史と社会」、井村君江「コーンウォールに生きる『島のケルト』」、松村一男「戦士・王者・救済」、高宮利行「アーサー王伝説にみるケルト」、ピゴット「ドルイド」、マッカーナ「ケルトの来世観」、U.エーコ「中世修辞学とケルト」、鶴岡真弓「ケルティック・ワンダーランド」、カエサル他「ギリシア・ローマから見たケルト人」、谷内田浩正「猿のようなケルトの肖像」、、エンヤのインタビュー「現代ケルトの歌姫」、中木康夫「ケルトの世界とヨーロッパ」

ケルト神話と中世騎士物語-「他界」への旅と冒険」田中仁彦 中公新書(1995/07)

「フェヴァルの息子ブランの航海」や「百戦の王コンの息子、美貌のコンラの冒険」、「メルドゥーンの航海」などといったイムラヴァと総称される物語群に見るケルトの「他界」。それらの物語に描かれる「他界」は、なぜ海の彼方にあるのでしょうか。そしてなぜ、どれも女人国なのでしょうか。現存する古伝承を通してケルトの「他界」を探り、それらがキリスト教の中にどのように取り入れられていったのか、そしてどのようにアーサー王伝説に残っているのかを考察する本です。私の詳しい感想はコチラ

No Imageケルトの古歌『ブランの航海』序説」松村賢一 中央大学学術図書(1997/04)

古代アイルランド文学の中でも難解だが重要な作品と考えられているという「ブランの航海」。基本的に論文なので、それほど面白いというわけにはいかないのですが、とても興味深いですし、「ブランの航海」の日本語訳と併せて「コンラの冒険」や「マールドゥーンの航海」「青春の国のアシーンの物語詩」も一緒に紹介されているのが嬉しいところ。私の詳しい感想はコチラ

妖精学入門」井村君江 講談社現代文庫(1998/09)

深く研究を進めていくと、人類学や民俗学、深層心理学、諸芸術の想像力の根元など様々なことが多様に、かつ複雑に絡まっていることを気付かされることになるという「妖精」の存在。井村君江さんが、これまでの著作を元に、「妖精学」という観点から「妖精」像を概観できるようにまとめたという入門書です。私の詳しい感想はコチラ

妖精とその仲間たち」井村君江 ちくま文庫(2000/10)

古くからイギリスのブリテン島の人々が身近に感じ、共に暮らしていた妖精たち。キリスト教が入ってくるにつれて、妖精は異教の神々とされ、時には悪魔と共に追い払われてしまうことになるのですが、それでも昔話や民謡、そして文学の世界では相変わらず活躍しています。この本はそんな妖精たちを70種類ほど紹介している本。図版も沢山収められており、特に巻頭のカラーの絵はとても綺麗。本文中に掲載されている図版が白黒なのが残念になってしまうほどです。私の詳しい感想はコチラ

ケルトの木の知恵-神秘、魔法、癒し」ジェーン・ギフォード文・写真(井村君江監修・倉嶋雅人訳)東京書籍(2003/01)

ケルトの神話や伝承によく登場する木ばかり集めた写真集。ここで取り上げているのは、シラカバ、ナナカマド、トネリコ、ハリエニシダなど20種類の木々。生育場所や性質など木そのものの説明はもちろんのこと、オガム・アルファベットでの表記方法とその意味、神話や伝説での姿、その象徴性、伝統的な利用方法、現代の利用方法、薬効などが美しい写真と共に紹介されています。私の詳しい感想はコチラ

ケルト妖精学」井村君江 ちくま文庫(2003/11)

上の「妖精学入門」はかなり初心者向けでしたが、こちらはもう少し踏み込んだ内容。絵画や演劇にも触れていますが、妖精伝承と物語詩、英文学の中に見る妖精たちの姿、そして児童文学に描かれた妖精というように、文学の中に見る妖精研究がメインとなっています。私の詳しい感想はコチラ

ケルトの森・ブロセリアンド」田辺保 青土社(1998/04)

アーサー王伝説の残るブルターニュの不思議の森・ブロセリアンド。この本で取り上げているのはブルターニュなので、あくまでもフランスにおけるケルトです。内容的にはあまり目新しいものはなかったですし、個人的にはあまり必要ないように感じられてしまう部分も多かったのですが、こういった異教の物語にキリスト教の倫理観が入り込むことほど、物語を台無しにするものはないと改めて実感します。


ケルト神話関連作品作品(応用編)■
No Imageケルト民話集」フィオナ・マクラウド(荒俣宏訳)ちくま文庫(1991/09)

同じフィオナ・マクラウドの「かなしき女王」同様、「呪詛と涙と月光と妖精の妖しい火とにあふれ」た作品集。しかも、まさしく当時のケルトの人々の心の中に入り込んで書いているような印象。そしてW.B.イエイツが採取した民話と比べて、物語として遥かに洗練されているのが印象的です。フィオナ・マクラウドも同じように民話を採取したはずなのに、これほど違ってしまうものなのかと不思議になってしまうほど。私の詳しい感想はコチラ

かなしき女王-ケルト幻想作品集」フィオナ・マクラウド(松村みね子訳)ちくま文庫(2005/11)

フィオナ・マクラウドが、古代の聖者コロンバにゆかりの聖なる心霊の地・アイオナに滞在して書いたという、ケルト神話や伝承に根ざした物語13編。全体的に陰鬱な空気が重く立ち込めているような一種独特の雰囲気があるのですが、一筋の光が射しこむような美しさがあります。ちなみに題名の「かなしき女王」とは、ケルト神話の女戦士・スカァアのこと。他にも英雄クウフリンやゲール人やピクト人、ヴァイキングなども登場して、いかにも「ケルト幻想作品集」なのですが、読んでみると、案外キリスト教色が濃い作品で驚かされます。私の詳しい感想はコチラ

妖精王の月」O.R.メリング(井辻朱美訳)講談社(1995/02)

O.R.メリングはアイルランド生まれの作家で、ケルト色の濃い物語を書いている作家。「妖精の月」から始まるファンタジー5作はそれぞれに物語としては独立しているのですが、現代のアイルランドを舞台にしていたり、トゥアハ・デ・ダナーンの時代を舞台にしていたり、メーヴ女王とクーフーリンの時代と、様々なケルト神話を楽しむことができます。私の詳しい感想はコチラ
妖精王の月」「歌う石」「ドルイドの歌」「夏の王」「光を運ぶ娘」「夢の書 上」「夢の書 下


ケルト神話関連作品作品(発展編)■
夏の夜の夢・あらし」シェイクスピア(福田恒存訳)新潮文庫(1971/07)

「夏の夜の夢」の原題「A Midsummer Night's Dream」の「Midsummer」とは夏至のこと。夏至は妖精の力が最も強まる日であり、妖精たちは祝祭を催すといいます。この作品に登場する妖精パックは、ケルトの妖精プーカがその原型です。

魔女とふたりのケイト」K.M.ブリッグズ(石井美樹子訳)偕成社(1987/07)

17世紀のイギリスとスコットランドの動乱の時代を背景に、スコットランドのギャロウェイ地方を舞台にしたケイト・クラッカーナッツの伝承を描いた物語。伝承の形は元のままなのに、ブリッグズの選んだ時代背景に、驚くほどしっくりと馴染んでいますし、そのことだけでも、魔女や妖精がいかに土地に根ざす存在だったのか分かるような気がします。私の詳しい感想はコチラ

幽霊の恋人たち-サマーズエンド」アン・ローレンス(金原瑞人訳)偕成社(1995/06)

夏の終わりのある日、村にやって来た見知らぬ男性はレノルズさん。彼は宿屋をしているベッキーの家に住み込みで働き、ベッキーと2人の妹に時々面白い物語をしてくれるという趣向。レノルズさんが語るのは、どれも「この世のものでないもの」が登場する物語。元々アン・ローレンスは民間伝承に題材を取った物語を書いている人なのだそうです。そしてその物語の2番目に入っているのが「タム・リン」。私の詳しい感想はコチラ

プークが丘の妖精パック」キプリング 光文社古典新訳文庫(2007/01)

シェイクスピアの「夏の夜の夢」でも有名な妖精パックが、夏至の前日に「夏の夜の夢」を演じた2人の子供たちの前に現れ、様々な歴史上の人物を引き合わせ、当時の出来事について物語らせていくという連作短編集。100年以上も前に書かれた作品だそうですが、今読んでもとても面白く、イギリスの歴史が目の前に鮮やかに浮かび上がってくるようです。私の詳しい感想はコチラ

吟遊詩人トーマス」エレン・カシュナー(井辻朱美訳)ハヤカワ文庫FT(1992/07)

類まれな美貌と才能のせいで、妖精の女王にエルフランドに連れて行かれ、7年間をそこで過ごすことになった吟遊詩人・トーマス。彼は戻ってきた時、真実しか口にすることができなくなっていたのです…。13世紀に実在し、予言者として有名だったという、エルシルダウンの詩人トーマスの伝承に基づいた物語です。私の詳しい感想はコチラ

聖なる森の家」全3巻 マリオン・ジマー・ブラッドリー(岩原明子訳)ハヤカワ文庫FT(1994/11)

アーサー王伝説のページに「アヴァロンの霧」を紹介しましたが、こちらはその前日譚とも言うべき物語。「アヴァロンの霧」の時代からさらに300年ほど遡ったブリテン島が舞台の物語で、アヴァロンに移る前の「聖なる森の家」ヴェルネメトンに住んでいるドルイドの巫女たちの描写がとても魅力的です。私の詳しい感想はコチラ
白き手の巫女」「龍と鷲の絆」「希望と栄光の王国

ケルトの白馬」ローズマリー・サトクリフ(灰島かり訳)ほるぷ出版(2000/12)

紀元前1世紀頃に作られたと言われている、バークシャー丘陵地帯のアフィントンにある全長111メートルもあるという白馬の地上絵に、ローズマリー・サトクリフが作り上げたという物語。丘陵地帯に馬と共に暮らす、イケニ族の族長の息子・ルブリン・デュが、その馬の絵を描き上げる物語です。本の書影の白い線がその絵。ルブリンの孤独感と喪失感が深ければ深いほど、白馬への思いは純粋となり、白馬は命を得ることができたのでしょう。私の詳しい感想はコチラ

アイルランド幻想」ピーター・トレメイン 光文社文庫(2005/08)

アイルランドに伝わる民間伝承をモチーフにした、アイリッシュ・ホラー11編。ここで描かれるアイルランドの土地には、今も古い神々や精霊たちが息づいていて、アイルランドにあまり詳しくない人々は、自分でも気がつかないうちにこの土地の呪縛に囚われてしまいます。作者のピーター・トレメインは実は高名なケルト研究者なのだそう。道理でとても土台がしっかりとした作品のはずです。私の詳しい感想はコチラ

蜘蛛の巣」ピーター・トレメイン 創元推理文庫(2006/10)

高名なケルト研究者であるピーター・トレメインが書いた、7世紀のアイルランドを舞台にした歴史ミステリ。厳密にはケルト神話物ではありませんし、既にアイルランドにもキリスト教が伝わっているのですが、まだドゥルイドの存在も残っているようですし、古代アイルランドのしきたりや法律などもとても楽しめるシリーズです。私の詳しい感想はコチラ
蜘蛛の巣 上」「蜘蛛の巣 下」「幼き子らよ、我がもとへ 上」「幼き子らよ、我がもとへ 下

銀の犬」光原百合 角川春樹事務所(2006/06)

ケルト神話に題材を取った連作短編集。あとがきに「ケルト民話に触発されて生まれた一つの異世界の物語」とある通り、とてもケルト的でありながら、光原百合さん独自の世界です。「祓いの楽人」という存在も、光原百合さんのオリジナル。しかしあまり自然に存在してるので、読んでいる方もするりとその世界に入りこんでしまいます。私の詳しい感想はコチラ

時間のない国で」ケイト・トンプソン 東京創元社(2006/11)

時間不足に嘆いている普通の世界、そして時間の存在していないティル・ナ・ノグ。その2つの世界の関係も面白かったですし、それぞれの住人たちもいい感じ。そして全編通してアイルランドの伝統音楽が流れ続けているのも雰囲気たっぷりです。私の詳しい感想はコチラ
時間のない国で 上」「時間のない国で 下」「プーカと最後の大王(ハイキング)


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