Livre資料室TOP≫HOME≫
Livre

子供の頃大好きだった本 <神話・伝承編>
小さい頃から世界各地の神話や伝承、それらを元にした話が大好きでした
それらの「ちょっと不思議な話」が、ファンタジー好きの原点となったのでしょう

子供の頃大好きだった本 神話・伝承編■
No Imageせむしの小馬」ピョ−トル・パヴロヴィチ・エルショ−フ(網野菊訳)岩波少年文庫

ロシア民話を元に、ロシアの詩人・エルショーフがまとめた本。ある日「イワンのばか」が捕まえたのは、真っ白な体に金色のたてがみを持つ牝馬。彼女は3頭の仔馬を産み、「2頭は誰に売ってもいいけれど、せむしの小馬だけはどれだけ金を積まれても売ってはいけませんよ」と言うのです。せむし小馬とイワンの冒険の物語。
叙事詩のような文体とイコンのような絵が気に入っていました。

イワンのばか」レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(金子幸彦訳)岩波少年文庫

「イワンのばか」を始めとする、ロシアの文豪トルストイの書いた民話集。世界各地に伝わる民話や童話は、どこの国の物でも大抵好きだったのですが、ロシアはまた格別。今でも「イワン」と言われれば「ばか」と答えてしまいそうになります。イワンは確かにばかなのかもしれません。しかし自分がいじめられていることにも気付かないほど、真っ直ぐに生きています。そんなイワンの幸せそうな姿がとても好きでした。

No Image石の花」バジョーフ(佐野朝子訳)岩波少年文庫

ウラル地方の民話をバジョーフがまとめたもの。ロシアの銅山で銅や石を掘ったり、石に細工をして生計を立てている労働者たちと、山の女王の物語。山の情景や山の女王の描写はとても幻想的で素敵ですし、好き嫌いは多少激しいものの、気に入った人間にはとことん優しい山の女王の造形も好きです。そして山で働く人々の石の細工物も実際に見てみたくなってしまいます。表題作「石の花」はプロコフィエフのバレエにもなり有名ですね。私の詳しい感想はコチラ

No Image「勇士ルスランとリュドミーラ姫」プーシキン(金子幸彦訳)岩波少年文庫

ロシアの詩人プーシキンが、ロシア民話を元に学生時代に書き上げたロマン主義の詩を、物語形式に書き直したもの。表題作は悪魔にさらわれたリュドミラを、勇士ルスランが探しに行く物語で、そのほかに「サルタン王のものがたり」「漁師と魚」「死んだ王女と七人の勇士」を収録しています。何かお祝い事があるたびに皆が飲んでいる「みつ酒」も気になりますし、倒れたルスランに隠者がかける2種類の水の描写は本当に印象的でした。このプーシキンの詩を元に、グリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」が作られています。

森は生きている」サムイル・マルシャーク(湯浅芳子訳)岩波少年文庫

大晦日。気紛れで我儘な女王が、4月に咲くマツユキソウを欲しがったせいで、継母に真冬の森に行かされることになってしまった娘。しかし彼女は森の中で、12の月の精に会うことに…。継母と継姉にいじめられる娘という設定は、まるでシンデレラのようです。真冬の森の中の描写や、私が読んでいた本についていた12の月の精の挿絵がとても好きでした。スラブ伝説を元に、ロシアの詩人・マルシャークが書いた戯曲です。

太陽の東 月の西」アスビョルンセン(佐藤俊彦訳)岩波少年文庫

アスビョルンセンが集めた北欧伝説(主にノルウェーとのこと)が18編収められています。表題作「太陽の東 月の西」は、まるで「美女と野獣」のような物語。さすが地続き、北ヨーロッパに伝わる物語には様々な共通点があり、グリム童話やアンデルセン、ペローなどと似ている物語も多いのです。しかしトロルが登場するというのはいかにも北欧的ですし、どこか独特の雰囲気があるのが大好きです。

No Imageア−サ−王物語」R.L.グリ−ン(厨川文夫訳)岩波少年文庫

魔法使いマーリンに育てられた少年アーサーが岩から剣を引き抜いた時、彼はブリテンの王となります。アーサー王の物語を知ったきっかけは既に忘れてしまいましたが、本当に大好きで、とうとう大学の卒論のテーマにも選んでしまったほど。アヴァロンには憧れました。アーサー王が死ぬ時、湖から出た手がエクスカリバーを受け取る情景が一番印象的。

ロビンフッドのゆかいな冒険1」「ロビンフッドのゆかいな冒険2」H.パイル(上田真而子訳)岩波少年文庫

ロビンフッドは、12世紀頃にシャーウッドの森の奥に仲間たちと一緒に隠れ住んでいたと言われる伝説の義賊。権力を振りかざそうとする人々からはたっぷり搾り取っても、貧しい人々には決して手を出さないという庶民の味方。読んでいて爽快になってしまうほどの勧善懲悪物です。陽気で明るいロビンフッドもかっこいいですし、一騎打ちをしてみて強い相手はどんどん仲間に引き入れるという懐の深さが好き。「楽しき人々」も個性的な面々が揃っていて、エピソードには事欠きません。特に私の詳しい感想はコチラ

聊斎志異」蒲松齢(立間祥介訳)岩波少年文庫

清初の作家・蒲松齢が民間伝承から取材し、書き上げた短編集。神仙の話、妖怪変化の話、幽霊の話など、ちょっとした不思議な話が満載です。私が読んでいたのは父の平凡社版で、おそらく完訳。なかなか艶っぽい大人向けの話も多かったです。

No Image錦の中の仙女」伊藤貴麿編 岩波少年文庫

中国の民話を集めた1冊。子供用の入門編といったところですが、これがきっかけで、父の「聊斎志異」に読みふけるようになりました。中国物好きを作った原点ですね。しかし中国が舞台とはいえ、やはりヨーロッパの童話との共通点も見られます。

アラビアンナイト 上」ディクソン編(中野好夫訳)岩波少年文庫

このページに入れるのが適当なのかよく分かりませんが… いわずと知れた千一夜物語。私が読んでいたのは祖父の家にあった筑摩書房版。小学生の頃、祖父の家に行くたびに読んでいました。しかし元々は子供向けのおとぎ話とは全く違う、大人向けの物語だったのですね。いきなり王妃が乱交パーティ状態になるなど、小学生の私には刺激が強かったです。(傍目にはそうは見えないのがご愛嬌)
アラビアン・ナイト 上」「アラビアン・ナイト 下

No Image「いばら姫」グリム兄弟(相良守峯訳)岩波書店
「鉄のハンス」グリム兄弟(相良守峯訳)岩波書店

普通のグリム童話を読んでみたくなって選んだのがこの2冊。気に入っていたのですが、絶版でした。でもグリム童話の本は他にも色々とありますよね。アンデルセンやペローも好んで読んでいましたが、やはり基本はグリムだったような気がします。

みどりいろの童話集」アンドル−・ラング(川端康成・野上彰訳)偕成社文庫

ラング世界童話全集として、色の名前のついた本が12冊出ていました。その12冊全部を読んでいたわけではないのですが… 特に目新しいわけでもないのに、読み始めたら止まらないんですよね。大人になって、川端康成の訳と気付いた時は驚きました。東京創元社からも復刊されていますが、こちらは新訳です。
みどりいろの童話集」「ばらいろの童話集」「そらいろの童話集」「きいろの童話集」「くさいろの童話集」「ちゃいろの童話集」「ねずみいろの童話集」「あかいろの童話集」「みずいろの童話集」「むらさきいろの童話集」「さくらいろの童話集」「くじゃくいろの童話集

No Imageギリシア・ローマ神話 上」ブルフィンチ(野上弥生子)岩波少年文庫

神様とは名ばかりの、普通の人間よりも人間くさく感じられる神々が大好きでした。そして大学の時の古代ギリシャ語の授業で、この神々の名前と再会することに。プシュケーとは本当に「魂」のことだったのですね。その他の神々の名前も、名前を示す名詞そのままだったので、単語が非常に覚えやすかったです。(笑)
ギリシア・ローマ神話 上」「ギリシア・ローマ神話 下

北欧神話」パードリック・コラム(尾崎義訳)岩波少年文庫

H.ヒルダの「とぶ船」で初めて出会った北欧神話の神々に興味を引かれたのが、読むようになったきっかけです。離れているとはいえ同じヨーロッパのせいか、ギリシャ・ローマ神話ともかなり共通点があるのですね。やはり神話は多神教が面白いです。

古事記物語」福永武彦 岩波少年文庫

日本もやはり多神教。まだ字があまり読めない頃、母によく祖父の古い本を読んでもらっていた覚えがあります。確か昭和3年発行。たとえ読んでもらっても、古い言葉遣いはとても難しかったはずなのに、なぜかお気に入りでした。

Livre資料室TOP≫HOME≫
JardinSoleil