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子供の頃大好きだった本 <ファンタジー編その1>
子供の頃一番好きだったのは、魔法使いや魔法の出てくるファンタジー作品
ここでは「現実にはあり得ないことが起きる」と定義しています

子供の頃大好きだった本 ファンタジー編■
不思議の国のアリス」ルイス・キャロル(脇明子訳)岩波少年文庫

大慌ての白うさぎを追いかけて、アリスが穴に飛び込むと…
子供の頃は、詩などよく分からずに飛ばしてしまった箇所がたくさんあったので、大人になった今、きちんと読み返してみたいですね。続編は「鏡の国のアリス」。こちらはチェスがベースとなっています。

くまのプーさん」A.A.ミルン(石井桃子訳)岩波少年文庫

私が持っていたのは、「プー横丁にたった家」と一緒に入った本でした。今でもディズニーのプーさんよりも、断然クラシックプーの絵の方が好きです。


マリアンヌの夢」キャサリン・ストー(猪熊葉子訳)岩波少年文庫

病気療養中のマリアンヌが見つけた1本の鉛筆。その鉛筆で描いた絵は、なんとマリアンヌの夢の中で、次々と現実になっていくのです。
なかなかシュールな物語で少々怖いのですが、読み始めるとすぐに引き込まれてしまいます。マリアンヌの精神的な葛藤と成長の描き方がすごいのです。作者が精神分析医と聞いて納得です。

トムは真夜中の庭で」フィリッパ・ピアス(高杉一郎訳)岩波少年文庫

せっかくの夏休みなのに弟が麻疹になり、よその家に預けられることになったトム。真夜中に古時計が13回打つのを聞いて、ふと外に出てみると、そこにはヴィクトリア朝の美しい庭園が…。そして1人の不思議な少女がいたのです。
幻想的な物語。切なくなってしまうラストもとても素敵でした。

ムギと王様」エリナ−・ファ−ジョン(石井桃子訳)岩波少年文庫

14編が収められた短編集。私が特に好きだったのは、「西ノ森」と「小さな仕立屋さん」。王子が北や南の国に求婚に行く場面も好きでしたし、恐ろしげな西ノ森が行き方次第で素敵な場所に変わってしまうというのも素敵。「小さな仕立屋さん」では、太陽や月、星のようなドレスに憧れました。
陽気なマーティン・ピピンが娘たちの前で物語を語る「リンゴ畑のマーティン・ピピン 上」「リンゴ畑のマーティン・ピピン 下」「ヒナギク野のマーティン・ピピン」、現代のおとぎ話「銀のシギ」、ファージョン版シンデレラ「ガラスの靴」も。

たのしい川べ」ケネス・グレーアム(石井桃子訳)岩波少年文庫

自分の家の大掃除を突然やめて外に散歩に出たモグラ。静かな川べでは、ネズミやアナグマ、うぬぼれ屋のヒキガエルなど、小さな動物たちが色々と住んでいました。
登場するのは動物たちですが、それぞれになんともイギリス的な気質なのが微笑ましいのです。ちなみにこの「川」とは、テムズ川のことだそう。

人形の家」ルーマー・ゴッデン(瀬田貞二訳)岩波少年文庫

人形の家の中で、両親と弟と犬と一緒に平和に暮らしていた小さなオランダ人形のトチー。しかしある日高慢ちきな花嫁人形がやって来て、一家は家から追い出されることに…。
イプセンの「人形の家」とは全く別物。切なくて、でもとても暖かい物語。大人になって読み返した時も、その切なさに泣きそうになりました。外見の美しさに惑わされずに真実を見抜く目を持てるのはとても素敵なことですね。私の詳しい感想はコチラ

みどりのゆび」モーリス・ドリュオン(安東次男訳)岩波少年文庫

裕福な家に生まれ育ったチト少年。小学校が合わず、お父さんに言われた通り、実際に外に出て学ぶことに。そして自分が「みどりの指」を持っていることに気付きます。
夢がいっぱい詰まっていて、読んでいるだけでも心が豊かになりそう。触るだけで植物が元気になってしまう「みどりの指」には憧れますね。最後はちょっぴり悲しいのですが、しかしとても美しい物語です。私の詳しい感想はコチラ

空とぶベッドと魔法のほうき」メアリー・ノートン(猪熊葉子訳)岩波少年文庫

隣家のプライスさんが魔女だと気付いてしまったケアリイ、チャールズ、ポールの3人は、口止め料としてベッドのノブに魔法をかけてもらいます。そのベッドでどこでも望む場所へと連れていってもらえるようになるのですが…。
どこにでもいるようなごく普通の女性が実は魔女だった? 日常的な魔法を使う日常的な魔女というのがユニーク。修行中の魔女だったプライスさんが、魔法のあり方について色々と考えていくところも良いですね。私の詳しい感想はコチラ

星の王子さま」サン=テグジュペリ(内藤濯訳)岩波少年文庫

言わずと知れた、星の王子さま。この表紙の絵も大好きです。でも挿絵の可愛らしさと裏腹に、物語は結構難しく哲学的だった覚えが…。「大好きだった本」と言いつつ、最初の辺りばかり読んでいたような気もします。ぜひ機会を作って、もう一度読み返してみたいです。


長い長いお医者さんの話」カレル・チャペック(中野好夫訳)岩波少年文庫

弟子をどなりつけようとした瞬間、梅の種がのどに詰まってしまった魔法使い。呼ばれたお医者さんは、治療もそっちのけで、色々な話をし始めて…。
チェコスロバキアの文豪・チャペックによる子供のためのお話は、とてもスケールが大きいナンセンスユーモア。読んでいるとニヤニヤさせられてしまいます。挿絵もとても可愛くてお気に入り。この挿絵を描いていたのは、カレル・チャペックのお兄さんのヨセフ・チャぺックだったのですね。

とぶ船 上」「とぶ船 下」ヒルダ・ルイス(石井桃子訳)岩波少年文庫

魔法の船を手に入れたピーター、スーザン、ハンフリー、サリーの4人が、時空を超えて色々なところを冒険する物語。イギリスの物語には4人の兄弟姉妹が活躍する物語がとても多く、これもその1つ。最初は空を飛ぶだけかと思われた魔法の船は、そのうち4人を歴史の中へも連れていってくれることになります。私が特に好きだったのは、中世イギリスで知り合うマチルダの話と北欧神話の世界の話。もっと続きが読みたかったです。私の詳しい感想はコチラ

No Imageチポリーノの冒険」ジャンニ・ロダーリ(杉浦明平訳)岩波少年文庫

貧しいながらも正義感が強いたまねぎ「チポリーノ」少年が、悪い大公「レモン大公」と戦う話。なかなか政治色が強い物語なのですが、登場人物は全て野菜か果物ですし、可愛い挿絵でそのようなことを感じさせません。イタリアらしい明るい希望でいっぱいの物語です。私の詳しい感想はコチラ

No Imageばらいろの雲」ジョルジュ・サンド(杉捷夫訳)岩波少年文庫

表題作は、ばらいろの雲を紡ぐ女の子の物語。その他に「ものいうかしの木」「ピクトルデュの館」が収録されています。この中でお気に入りだったのは「ピクトルデュの館」。ギリシャ神話の神々や水の精たちが彫像や壁画から抜け出してくる場面は幻想的で美しく、異教的な雰囲気にどきどきした覚えがあります。他の作品にはない独特のざわめきを感じました。私の詳しい感想はコチラ

魔女ファミリー ガラス山の魔女たち」エレナー・エスティス(井上富雄訳)瑞雲舎

魔女のかしらの魔女ばあさんが、ある日エイミーという少女にガラス山に追放されてしまいます。魔女、エイミーとクラリッサ、そしてマルハナバチのマルチの物語。
魔女の物語らしい呪文や魔法がいっぱい。これを読んでいた頃は、まだ今ほどハロウィンが一般的ではなく、「ばんせいせつ」とはどんなものなのだろうとワクワクして読んだ覚えがあります。エドワード・アーディゾーニの挿絵も素敵です。大好きな本。私が持っているのは、「ガラス山の魔女たち」という題名で学研から出ていた本。渡辺茂男さんの訳でした。

No Imageきらくな空の旅行者たち」レルム=ヴァルテール(山口とも子訳)岩波書店

街にやって来たサーカスの小屋で見たマジックに夢中になった2人は、そのマジックをしていた魔女に連れて行かれてしまうことに…。魔女に連れ去られてしまうというのは怖いものの、案外とその旅を楽しんでいた2人。フランスらしさのある青い夜空のイメージの装丁もとても素敵でした。(再読したら書き直します)

モモ」ミヒャエル・エンデ(大島かおり訳)岩波書店

不思議な少女・モモが住む平和な町に、時間貯蓄銀行の灰色の男たちが現れ、巧妙に人々の時間を奪い取っていきます。モモは、全ての時間の支配者マイスター・ホラの亀・カシオペアと一緒に時間を取り戻そうとするのですが…。
凍らされた無数の時間の花たちが並んでいる場面がとても印象的でした。それぞれの花はそれぞれに違い、2つとして同じ形のものがないのです。モモの親友のベッポとジジもいい味を出していて、読んでいると心が暖かくなってきます。

デブの国とノッポの国」アンドレ・モロア(辻昶訳)集英社

デブの兄とノッポの弟が、お父さんと一緒にピクニックへ。近くを探検していた2人は、そこに長いエスカレーターがあるのを見つけます。それに乗って降りてみると、そこにはデブの国とノッポの国が。兄弟は離れ離れになってしまいます。
何もかもが細長くて、みんな働き者のノッポの国と、何もかもが丸くて、みんな怠け者、美味しい物を食べていれば幸せなデブの国。想像するだけでも楽しくなってしまいます。そういう国がエスカレーターの下にあるというのも面白いですね。

ノンちゃん雲に乗る」石井桃子 福音館書店

大好きなおかあさんにだまされたと、わあわあ泣きながら歩いていたノンちゃん。神社の境内の楓の木に登ってひょうたん池の中をのぞきこむと、そこには空と雲が映っていて… ノンちゃんは池に映った空に落ちてしまいます。
初めて読んだ日本のファンタジーがこれでした。田舎の家に置いてあったので、きっと父の本だったのでしょう。一緒に読んでいた情景が今でも浮かんできます。

だれも知らない小さな国」佐藤さとる 講談社青い鳥文庫

主人公の「せいたかさん」が、不思議な小人「コロボックル」たちと出会い、徐々に信頼関係を築いていく物語。「コロボックル」という言葉の不思議な響きが、「ガリバー旅行記」の小人やメアリー・ノートンの小人シリーズとは一線を画していました。2作目は「豆つぶほどの小さないぬ」で、その他にも色々と出ているようです。

霧のむこうのふしぎな町」柏葉幸子 講談社青い鳥文庫

夏休みに1人で霧の谷という所に行くことになったリナ。そしてぴえろの傘に導かれるようにして着いたところは、「きちがい通り」と呼ばれる不思議な場所だったのです。
図書館で見つけて読んで、日本にもこういう物語があったのか!と衝撃的だった1冊。ヨーロッパの石畳の古い町並みを彷彿とさせるような通り。その前の場面の東北弁らしい言葉との対比も新鮮でした。とにかく大好きな1冊。同じ作者では、「地下室からのふしぎな旅」や「天井うらのふしぎな友だち」も。

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