大人になってから出会った児童書 <少年少女編>
児童書の書架にあるというだけで、出会わずに終わってしまったら勿体ないです!
大人になってから出会った児童書 少年少女編■
「
サマータイム」佐藤多佳子 新潮文庫
勝気で我儘な美しい姉に、素直で優しい弟、2人が夏に出会ったクールな少年、そしてそれぞれの出会う人々。そんな情景を描いた「サマータイム」「五月の道しるべ」 「九月の雨」「ホワイト・ピアノ」という4つの物語。バックに流れる曲は、時にはキラキラと眩しく、時にはしっとりと美しく、特には気だるく憂鬱に…。私の詳しい感想は
コチラ。かっこいい女の子が主人公の「
イグアナくんのおじゃまな毎日」「
ハンサム・ガール」といった作品もあります。
「
楽園のつくりかた」笹生陽子 角川文庫
有名私立中学に通う星野優の夢は、有名大学に進学し、一流企業に就職すること。しかしそんな時に母親の引越し宣言が。しかも引越し先は、クラスメートが3人しかいない分校に通うしかないど田舎で…。
最初は鼻持ちならない主人公が、田舎に引越してから、表面上は変わらぬそぶりをしていながらも、内面的に徐々に変わっていくのがいい感じ。3人のクラスメートたちもいい味を出しています。私の詳しい感想は
コチラ。小学生の男の子を主人公にした「
ぼくらのサイテーの夏」「
きのう、火星にいった」も楽しいです。
「
穴」ルイス・サッカー(幸田敦子訳)講談社
「穴」は、無実の罪で逮捕され、グリーン・レイク・キャンプに送り込まれてしまった不運なスタンリー・イェルナッツの物語。現在のグリーン・レイク・キャンプの描写に、過去の様々な情景が織り込まれるのですが、これが全て伏線となって、最後にはあっと驚く結末。まるでミステリ作品のように、パズルがはまるような快感があります。あまりアピールしない題名なのがもったいないですね。そして続編「道」はグリーン・レイク・キャンプを出た後にスタンリーが書いたエッセイという体裁。私の詳しい感想は
コチラ。