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大人になってから出会った児童書 <絵本編その2>
<その1>よりも文字が多めだったり、どちらかといえば大人向けだったり…

大人になってから出会った児童書 絵本編その2■
サンタのおばさん」東野圭吾・杉田比呂美 文芸春秋

史上初の女性サンタが登場?!新しく連れてこられたサンタ候補を巡って、会議は喧々諤々と大騒ぎ。…この作品は、東野圭吾さんの「片想い」という作品の、作中のお芝居から生まれた絵本。杉田比呂美さんの透明感のあるほのぼのとしたイラストがとても素敵。全部で12人となるサンタさんたちも、それぞれお国柄の出ていて、見ているだけでも可愛いのです。本来は大人のための絵本だと思いますが、子供でも十分楽しめるでしょうね。私の詳しい感想はコチラ

てのりゾウのパズー」小泉吉宏 幻冬舎

パパがぼくの家に連れてきた、とても小さいぞうのパズー。手に乗るような小さい象という発想自体も可愛いのですが、絵も物語もとても可愛いのです。(画像はベネッセから出ていた版を代用しています)
てのりゾウのパズー」「てのりゾウのパズー走る走る走る」「てのりゾウのパズーお手をしてごらんよ

マジョモリ」梨木香歩・早川司寿乃 理論社

ある朝、つばきの机の上に置かれていたのは、「まじょもりへ ごしょうたい」という手紙。つばきはまじょもりで、ハナさんとふたばちゃんに出会います。物語はもちろんのこと、早川さんの柔らかい緑色を基調とした絵もとても素敵なのです。私の詳しい感想はコチラ。「マジョモリ」とほぼ同時に、「蟹塚縁起」「ペンキや」「ワニ-ジャングルの憂鬱草原の無関心」といった絵本も刊行されました。絵が違うと、まるで違う雰囲気になるのですね。

つるばら村のパン屋さん」茂市久美子・中村悦子 講談社

くるみさんの「三日月屋」は、つるばら村でただ1つのパン屋さん。今はまだ宅配専門で、駅前にお店を出すのがくるみさんの夢。しかしお店を出しても閑古鳥。そんなある日、たんぽぽのはちみつを入れて焼いて欲しいという注文が入ります。…とても暖かくて、パンの焼ける香ばしい香りが漂ってきそうな絵本。くるみさんとお客さんたちとのやりとりも、とても可愛らしいのです。
つるばら村のパン屋さん」「つるばら村の三日月屋さん」「つるばら村のくるみさん

モーラと私」おーなり由子 新潮社

1人ぼっちで寂しかった「わたし」の元にある日やって来たのは、不思議なモーラ。2人はあっというまに仲良しになり、いつも一緒にいることになります。とっても暖かくて優しくて、ちょっぴり切ない物語です。私の詳しい感想はコチラ

くつしたをかくせ!」乙一・羽住都 光文社

乙一さんと、角川スニーカー文庫の乙一作品でおなじみの羽住都さんによるクリスマス絵本。乙一さんのクリスマス童話は、ほのぼのとしながらも、ちょっぴり怖い物語。そして羽住都さんの絵はやはりとても綺麗で、画集としても手元に置いておきたくなるような本です。私の詳しい感想はコチラ

ななつのこものがたり」加納朋子・菊池健 東京創元社

加納朋子さんの「ななつのこ」の作中作が、本当の絵本になりました。挿絵そのままの、ほんのりとした優しい雰囲気の絵本です。「ななつのこ」で登場したあやめさんやはやてに魅せられた人はぜひ。そしてこの本を読んでから「ななつのこ」へ進むというのもいいかもしれません。私の詳しい感想はコチラ

キャッテゴーリー」エドワード・ゴーリー 河出書房新社

ゴーリーの絵本は残酷で可哀相だったり、ブラックだったり、不条理だったり… 時には、あまりのブラックさに逆に笑いが出るほどの非常に個性的な世界です。基本的に子供向きではないのでしょうね。そんな中で、これは言葉は一切なく、50の猫の絵と数字だけの絵本。ゴーリーの絵本としては異質なほどイメージが柔らかいです。他のゴーリーの絵本には、「うろんな客」「不幸な子供」「敬虔な幼子」「雑多なアルファベット」などがあります。

ふたりはともだち」アーノルド・ローベル(三木卓訳)文化出版局

がまくんとかえるくんのシリーズ。抑えた色彩の絵がとても美しく、全体的にどことなくケネス・グレーアム「たのしい川べ」のイメージ。がまくんとかえるくんの、お互いを大切にする気持ちがとても暖かくて好きです。
ふたりはともだち」「ふたりはいっしょ」「ふたりはいつも」「ふたりはきょうも

ちいさなちいさな王様」アクセル・ハッケ、ミヒャエル・ゾーヴァ(那須田淳・木本栄訳)講談社

人差し指くらいの大きさしかない太った王様は、いつも白いテンの皮で縁取りされた分厚い深紅のビロードのマントを着ていて、くまのかたちを好物のグミベアーにかぶりつきながら、「僕」に話しかけます。王様の話す不思議な世界の話は暗示に富んでいて幻想的。そして何といっても、ゾーヴァの挿絵がとても魅力的なのです。ゾーヴァの絵が楽しめる本は、他にも「思いがけない贈り物」「キリンと暮らす クジラと眠る」「エスターハージー王子の冒険」「クマの名前は日曜日」「冷蔵庫との対話」などがあります。

サンタ・クロースからの手紙」J.R.R.トールキン(瀬田貞二・田中明子訳)評論社

トールキンが4人の子供たちのために20年以上書き続けた絵と手紙を絵本にしたもの。手紙の差出人は、サンタ・クロース自身だったり、助手の北極熊 だったり、秘書のエルフだったり、いつもプレゼントと一緒に、時には降ったばかりの雪にまみれて、暖炉の前に置かれていたのだそうです。実際に封筒の中に手紙が入っている、とても凝った素敵な本です。私の詳しい感想はコチラ。トールキンには、他にも「ブリスさん」という絵本や、「仔犬のローヴァーの冒険」という物語の本も。

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